鼓室階外リンパ中のアミノ酸濃度 強大音負荷及びグルタミン酸阻害剤 (JSTX) の影響について

グルタミン酸 (Glu) は蝸牛求心神経の伝達物質の候補の中で最も有力視されているものの1つである. 本研究では強大音負荷及びキスカル型受容体のシナプス後神経毒であるジョロウグモ毒素 (JSTX) の灌流を行い, 外リンパ中のアミノ酸濃度に与える影響につき検討した. 強大音負荷, JSTXの灌流下の強大音負荷共に負荷の前後でGluをはじめ各種アミノ酸濃度に有意差を認めなかった. これらの結果より導かれる推論として, 強大音負荷によって有毛細胞から外リンパ腔へ放出されるGluの量が極めて微少で, 本実験で用いたHPLCでは検出できないか, あるいは放出されたGluが直ちにグルタミン酸に変化する可...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 96; no. 2; pp. 231 - 237,367
Main Authors 米納, 昌恵, 芹澤, 富士子, 瀬成田, 雅光, 草刈, 潤, 原, 晃, 待木, 健司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.02.1993
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.96.231

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Summary:グルタミン酸 (Glu) は蝸牛求心神経の伝達物質の候補の中で最も有力視されているものの1つである. 本研究では強大音負荷及びキスカル型受容体のシナプス後神経毒であるジョロウグモ毒素 (JSTX) の灌流を行い, 外リンパ中のアミノ酸濃度に与える影響につき検討した. 強大音負荷, JSTXの灌流下の強大音負荷共に負荷の前後でGluをはじめ各種アミノ酸濃度に有意差を認めなかった. これらの結果より導かれる推論として, 強大音負荷によって有毛細胞から外リンパ腔へ放出されるGluの量が極めて微少で, 本実験で用いたHPLCでは検出できないか, あるいは放出されたGluが直ちにグルタミン酸に変化する可能性が考えられた.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.96.231