呼吸器感染症におけるT-1982の臨床的検討

新しく開発されたCephamycin系抗生物質であるT-1982を肺炎25例, 気管支炎9例, 気管支拡張症6例, 肺化膿症2例および, び漫性汎細気管支炎1例, 計43例の呼吸器感染症に投与し臨床的検討を加えた。薬剤は1回0.5~2.0g, 1日2回点滴静注し, 投与期間は3日から49日にわたっている。 喀出痰および穿刺材料より推定しえた起炎菌は, H.influenzae6株, K.pneumoniae3株, P.aeruginosa3株, S.aureus2株, K.oxytoca2株, その他5種各1株であった。 臨床効果は判定不能の1例を除いて42例中著効15例, 有効23例, やや...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inCHEMOTHERAPY Vol. 30; no. Supplement3; pp. 587 - 595
Main Authors 長野, 準, 近藤, 寛治, 池田, 東吾, 江頭, 洋祐, 絹脇, 悦生, 篠田, 厚, 北原, 義也, 志摩, 清, 外村, 洋一, 永尾, 玲子, 松葉, 健一, 安武, 敏明, 本田, 義信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1982
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:新しく開発されたCephamycin系抗生物質であるT-1982を肺炎25例, 気管支炎9例, 気管支拡張症6例, 肺化膿症2例および, び漫性汎細気管支炎1例, 計43例の呼吸器感染症に投与し臨床的検討を加えた。薬剤は1回0.5~2.0g, 1日2回点滴静注し, 投与期間は3日から49日にわたっている。 喀出痰および穿刺材料より推定しえた起炎菌は, H.influenzae6株, K.pneumoniae3株, P.aeruginosa3株, S.aureus2株, K.oxytoca2株, その他5種各1株であった。 臨床効果は判定不能の1例を除いて42例中著効15例, 有効23例, やや有効3例, 無効1例で有効率は90.5%であった。 副作用としては1例に発疹, 3例にGOT, GPTの軽度上昇を認めたがいずれも本剤投与中止後すみやかに回復した。 以上の成績から, T-1982は呼吸器感染症に対して有用性の高い薬剤と考えられる。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.30.Supplement3_587