眼科領域におけるCeftriaxone (Ro 13-9904) の検討

眼病巣より分離したS. aureus, S. epidermidis, K. pneummiaeに対するceftriaxone (CTRX, Ro13-9904) の抗菌力をみると, K.pneumoniaeに村する抗菌力か強く, S. auleus, S.e pidemlidisに対するNIIC分布のピークは, 1.56μg/mlであるのに比べK. pneumomiaeのMIC分布のピークは≦0.2μg/mlにあった。 家兎の房水や涙液への移行を検討すると, 房水内移行はピーク時の房血比をみると, 0.186にて血清内移行に比べ良好とは言えなかつた。しかし絶対移行濃度は4.3μg/mlと比較...

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Published inCHEMOTHERAPY Vol. 32; no. Supplement7; pp. 730 - 735
Main Authors 葉田野, 博, 馬場, 安彦, 大西, 人実
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1984
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ISSN0009-3165
1884-5894
DOI10.11250/chemotherapy1953.32.Supplement7_730

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Summary:眼病巣より分離したS. aureus, S. epidermidis, K. pneummiaeに対するceftriaxone (CTRX, Ro13-9904) の抗菌力をみると, K.pneumoniaeに村する抗菌力か強く, S. auleus, S.e pidemlidisに対するNIIC分布のピークは, 1.56μg/mlであるのに比べK. pneumomiaeのMIC分布のピークは≦0.2μg/mlにあった。 家兎の房水や涙液への移行を検討すると, 房水内移行はピーク時の房血比をみると, 0.186にて血清内移行に比べ良好とは言えなかつた。しかし絶対移行濃度は4.3μg/mlと比較的高い。一方涙液内移行をみるとピーク時の涙血比は0.586と血清内移行の半分以上が移行し良好で, 絶対移行濃度も13.5μg/mlヒ高濃度を示した。 次に家兎の結膜下注射による房水内移行をみると10mg/0.1ml投与におけるピーク時の房水内濃度は, 50mg/kg静注投与の同時点における房水内濃度の約10倍で42.0μg/mlを示した。 臨床に使前するにあたって本剤1.0gを点滴静注し, 1日1回の投与にて, 重症例を念む匐行性角膜潰瘍7例に使用した。その成績は, 著効3例, 有効2例, やや有効2例で, 満足すべき成績か得られた。また副作用については, 皮内反応陰性症例のみに使用した故か, アレルキー反応を生じた例は1例も認められず, また自覚的に何等の症状も認められなかった。 また臨床検査を施行した3例では1例にGPTの軽度上昇が認められたが, 特に投薬を中止するほどのものではなかった。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.32.Supplement7_730