Cefaclor経口剤の使用経験

Cefaclor (CCLと略す) は今回新たに開発されたCephalosporin系の内服剤であるが, これを皮膚軟部組織感染症16例, 穿孔性腹膜炎10例, 急性乳腺炎10例, 計36例に使用して, 著効17例, 有効16例, やや有効3例, 無効0例の成績を得た。有効以上91.7%。 授乳中の急性乳腺炎患者10例のうち, 2例に切開を加えたが, 3例は膿汁穿刺, 他は冷湿布を併用して治癒せしめ得た。また, この際2例にCCLの乳汁及び膿汁内の濃度を測定したが, 正常人乳汁に比して, 乳腺炎患者の乳汁及び膿汁中にはCCLの高濃度移行を認め, これはCCLの乳腺炎に対する有効性を示唆するもの...

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Published inCHEMOTHERAPY Vol. 27; no. Supplement7; pp. 453 - 460
Main Authors 沢田, 康夫, 橋本, 伊久雄, 平沢, 貞子, 阿部, 弘, 三上, 二郎, 中村, 孝, 戸次, 英一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1979
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ISSN0009-3165
1884-5894
DOI10.11250/chemotherapy1953.27.Supplement7_453

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Summary:Cefaclor (CCLと略す) は今回新たに開発されたCephalosporin系の内服剤であるが, これを皮膚軟部組織感染症16例, 穿孔性腹膜炎10例, 急性乳腺炎10例, 計36例に使用して, 著効17例, 有効16例, やや有効3例, 無効0例の成績を得た。有効以上91.7%。 授乳中の急性乳腺炎患者10例のうち, 2例に切開を加えたが, 3例は膿汁穿刺, 他は冷湿布を併用して治癒せしめ得た。また, この際2例にCCLの乳汁及び膿汁内の濃度を測定したが, 正常人乳汁に比して, 乳腺炎患者の乳汁及び膿汁中にはCCLの高濃度移行を認め, これはCCLの乳腺炎に対する有効性を示唆するものと考える。 原則として空腹時投与を行なったが, 胃腸障害を訴えた例はなかった。1例に1日量750mg, 1週間の投与後, GOT, GPT値の中等度上昇を認めたが, 正常値に復帰後, 再度1日量1,500mg, 2週間の投与を試みて, GOT, GPT値の上昇を認めなかったのでこれは本剤による副作用ではないと考える。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.27.Supplement7_453