TMS-19-Qの基礎的, 臨床的検討

Kitasamycinの一成分であるLeucomycin A5の3'' 位をpropionyl化した新しいマクロライド系抗生物質であるTMS-19-Qについて, 基礎的, 臨床的検討を行なった。 1) 臨床分離菌に対するTMS-19-Qの抗菌力を測定したところ, 接種菌量が106 cells/mlのときのMICが0.78μg/ml以下の占める割合がS.anrens 91%, S.epidermidis 63%, S.faecalis47%であり, S.faecalisでは12.5μg/ml以下が66%であった。しかし, 100μg/ml以上の高度耐性株が10~30%に認めら...

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Published inCHEMOTHERAPY Vol. 32; no. Supplement6; pp. 332 - 341
Main Authors 沢江, 義郎, 岡田, 薫, 熊谷, 幸雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1984
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Summary:Kitasamycinの一成分であるLeucomycin A5の3'' 位をpropionyl化した新しいマクロライド系抗生物質であるTMS-19-Qについて, 基礎的, 臨床的検討を行なった。 1) 臨床分離菌に対するTMS-19-Qの抗菌力を測定したところ, 接種菌量が106 cells/mlのときのMICが0.78μg/ml以下の占める割合がS.anrens 91%, S.epidermidis 63%, S.faecalis47%であり, S.faecalisでは12.5μg/ml以下が66%であった。しかし, 100μg/ml以上の高度耐性株が10~30%に認められた。同時に測定したJMのMICと比較すると1~2段階優れており, MDMとは2段階優れていた。 また, TMS-19-Qの主代謝物であるLMA7とLMVのMICは, LM A7にTMS49-Qより1段階劣るものが多く, LMVは3~4段階劣っていた。 2) 肺炎3例, 急性気管支炎および慢性気管支炎の急性増悪5例, 急性扁桃炎1例の計9例にTMS-19-Q・O錠1日0.69, 3~42日間使用したところ, 著効3例, 有効4例, やや有効1例, 判定不能1例であり, 有効率は87.5%であった。副作用として口唇のしびれ感が1例に認められ, 臨床検査成績に異常は認められなかった。 TMS-19-Q・GC錠を肺炎4例, 急性気管支炎および慢性気管支炎の急性増悪5例, 慢性気管支炎1例, 急性扁桃炎2例, 急性咽頭炎 (疑) 2例, 感染性気管支喘息1例の計15例に, 1日0.4~0.89, 2~42日間使用したところ, 著効1例, 有効7例, やや有効3例, 無効2例, 判定不能2例で, 有効率61.5%であった。副作用として発疹が1例にみられ, GOT, GPTのごく軽度の上昇が2例に認められた。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.32.Supplement6_332