Sparfloxacinに関する基礎的・臨床的研究

新しく開発された合成抗菌剤のsparfloxacinについて基礎的ならびに臨床的検討を行い, 以下の成績を得た。 1. Sparfloxacinの胃腸管吸収に及ぼす制酸剤 (乾燥水酸化アルミニウムゲル) およびprobenecidの影響を, 6名の健常成人男子志願者を対象にcross-over法により検討した。Sparfloxacin 200mg単独服用時の最高血中濃度は0.865μg/ml, 最高血中濃度到達時間は5.3時間, 血中消失半減期は14.7時間, 血中濃度曲線下面積は21.1μg・h/mlであり.制酸剤1.0g同時併用時では各々0.683μg/ml, 4.0時間, 14.0時間,...

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Published inCHEMOTHERAPY Vol. 39; no. Supplement4; pp. 234 - 244
Main Authors 嶋田, 甚五郎, 斎藤, 篤, 柴, 孝也, 北条, 敏夫, 加地, 正伸, 堀, 誠治, 吉田, 正樹, 酒井, 紀, 今井, 健郎, 松本, 文夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1991
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Summary:新しく開発された合成抗菌剤のsparfloxacinについて基礎的ならびに臨床的検討を行い, 以下の成績を得た。 1. Sparfloxacinの胃腸管吸収に及ぼす制酸剤 (乾燥水酸化アルミニウムゲル) およびprobenecidの影響を, 6名の健常成人男子志願者を対象にcross-over法により検討した。Sparfloxacin 200mg単独服用時の最高血中濃度は0.865μg/ml, 最高血中濃度到達時間は5.3時間, 血中消失半減期は14.7時間, 血中濃度曲線下面積は21.1μg・h/mlであり.制酸剤1.0g同時併用時では各々0.683μg/ml, 4.0時間, 14.0時間, 13.7μg・h/ml, probenecid 1.5g併用時では各々0.810μg/ml, 3.5時間, 15.7時間, 20.1μg・h/mlであった。制酸剤併用時においてsparfloxacinの吸収阻害が認められたが, その程度は最高血中濃度で22%, 血中濃度曲線下面積で35%の低下であり, 既存のキノロン系抗菌剤と比較して弱かった。 2. 呼吸器感染症23例, 尿路感染症5例, 乳腺炎1例の計29例に対して, sparfloxacinを1日100~300mg, 3~14日間経口投与した。臨床効果は著効8例, 有効16例, 無効5例で, 有効率82.8%の成績を得た。副作用として眩量+嘔気+心窩部痛, 発熱+好酸球増多を各1例に認めたが投与中止例はなく, かつ治療終了後はいずれも消退した。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.39.Supplement4_234