腎機能障害時におけるCeftizoxime (CZX) の血清中および尿中排泄動態に関ずる研究

新しく開発された注射用半合成セファロスポリン系抗生剤Ceftizoxime (CZX) の500 mgを, 種種の程度の腎機能を有する33例に筋注した際の血清中および尿中濃度を測定した。濃度測定はBacillus subtilis ATCC 6633を検定菌とする薄層ディスク法で行い, 薬動力学的解析はone-compartment open modelに従った。なお腎機能の指標としては, 24時間内因性クレアチニンクリァランス (Ccr) を用い, 各種薬動力学的パラメータとの関連性について検討した。腎機能正常例における最高血清中濃度は, 筋注30分後に得られ平均14.7μg/mlで, 血清...

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Published inCHEMOTHERAPY Vol. 28; no. Supplement5; pp. 706 - 714
Main Authors 菅田, 敏明, 岡所, 明, 宮城, 徹三郎, 大川, 光央, 佐藤, 隆, 黒田, 恭一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1980
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ISSN0009-3165
1884-5894
DOI10.11250/chemotherapy1953.28.Supplement5_706

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Summary:新しく開発された注射用半合成セファロスポリン系抗生剤Ceftizoxime (CZX) の500 mgを, 種種の程度の腎機能を有する33例に筋注した際の血清中および尿中濃度を測定した。濃度測定はBacillus subtilis ATCC 6633を検定菌とする薄層ディスク法で行い, 薬動力学的解析はone-compartment open modelに従った。なお腎機能の指標としては, 24時間内因性クレアチニンクリァランス (Ccr) を用い, 各種薬動力学的パラメータとの関連性について検討した。腎機能正常例における最高血清中濃度は, 筋注30分後に得られ平均14.7μg/mlで, 血清中濃度半減期は平均1.45時間と計算された。また消失速度定数 (Kel) とCcrとの間には有意の相関関係 (P< 0.001) が認められ, 回帰直線方程式Kel=0.0202+0.00483 Ccrが得られた。腎機能正常例における筋注後6時間後までの尿中回収率は平均77.6%で, 腎機能の低下に伴い減少した。腎機能障害, ことに高度な障害を有する患者に本剤を投与する際には, 投与量, 投与間隔の調節の必要があるものと考えられた。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.28.Supplement5_706