十二指腸潰瘍穿孔に対する治療法の選択に関する検討

当院における1991年7月より1997年3月までの十二指腸潰瘍穿孔症例40例に対する治療法の選択をretrospectiveに検討した.治療法の内訳は保存療法が2例,腹腔鏡下単純閉鎖術(以下LSC)が13例,開腹単純閉鎖術(以下OSC)が9例,胃切除術(以下SG)が16例であった.発症から手術までの経過時間はLSCが7.3時間, OSCが34.2時間, SGが7.5時間であった.手術時間は, LSCが1.4時間, OSCが1.2時間, SGが8時間であった.入院期間はLSCが13.7日, OSCが18.8日, SGが29.3日であった.診療報酬点数ではLSCが67,326点, OSCが90,4...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 59; no. 10; pp. 2459 - 2463
Main Authors 有我, 隆光, 木下, 弘寿, 大月, 和宣, 丸山, 尚嗣, 尾崎, 正彦, 大島, 郁也, 庄古, 知久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.10.1998
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.59.2459

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Summary:当院における1991年7月より1997年3月までの十二指腸潰瘍穿孔症例40例に対する治療法の選択をretrospectiveに検討した.治療法の内訳は保存療法が2例,腹腔鏡下単純閉鎖術(以下LSC)が13例,開腹単純閉鎖術(以下OSC)が9例,胃切除術(以下SG)が16例であった.発症から手術までの経過時間はLSCが7.3時間, OSCが34.2時間, SGが7.5時間であった.手術時間は, LSCが1.4時間, OSCが1.2時間, SGが8時間であった.入院期間はLSCが13.7日, OSCが18.8日, SGが29.3日であった.診療報酬点数ではLSCが67,326点, OSCが90,434点,保存療法が91,492点, SGが116,222点であった.単純閉鎖術術後の潰瘍再発は1年以上経過例の38.5%に認められたが,内服治療により治癒している.以上より,保存療法は高齢,手術不能例に選択し,手術療法ではショック症状を呈さない場合はまずLSCの適応であり,十二指腸に狭窄を認めればSGを,ショックや重度の合併症を認めた場合はOSCの適応と考えている.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.59.2459