101歳超高齢者大腸癌手術の1例

本邦の高齢化は年々進んでおり, 100歳以上超高齢者開腹手術症例も今後増加してゆくものと思われる.今回101歳横行結腸癌根治手術例を経験したので報告する. 症例は101歳,女性.血便を機に近医で精査され,横行結腸癌と診断され,当院に紹介となった.横行結腸癌に対し,結腸右半切除・小腸合併切除術を施行した.小腸浸潤が認められたがリンパ節転移・肝転移・腹膜播種はなく,根治度Aの手術が可能であった.術後経過は良好で合併症もなく,術後15日に軽快退院した.本邦における100歳以上超高齢者開腹手術例は自験例を含めて14例報告されているが,待期手術は自験例を含めて3例あり, 3例ともに大腸癌症例で死亡例はな...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 64; no. 10; pp. 2543 - 2546
Main Authors 八田, 健, 栗栖, 茂, 前田, 裕巳, 梅木, 雅彦, 豊田, 泰弘, 小山, 隆司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.10.2003
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.64.2543

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Summary:本邦の高齢化は年々進んでおり, 100歳以上超高齢者開腹手術症例も今後増加してゆくものと思われる.今回101歳横行結腸癌根治手術例を経験したので報告する. 症例は101歳,女性.血便を機に近医で精査され,横行結腸癌と診断され,当院に紹介となった.横行結腸癌に対し,結腸右半切除・小腸合併切除術を施行した.小腸浸潤が認められたがリンパ節転移・肝転移・腹膜播種はなく,根治度Aの手術が可能であった.術後経過は良好で合併症もなく,術後15日に軽快退院した.本邦における100歳以上超高齢者開腹手術例は自験例を含めて14例報告されているが,待期手術は自験例を含めて3例あり, 3例ともに大腸癌症例で死亡例はない. 100歳以上超高齢者といえども重症基礎疾患を有する症例を除いては,大腸癌程度の手術侵襲の手術であれば現時点では待期手術であれば安全に手術が可能である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.64.2543