急性呼吸器感染症に対する経口用セフェム剤Cefdinirの検討

新しい経口用セフェム剤cefdinir (CFDN) を急性呼吸器感染症18例に使用し, その有用性および安全性について検討した。 対象は31歳から80歳までの男性11例, 女性7例で, 本剤100mgカプセルを1日3カプセル毎食後3分服で, 4~14日間経口投与した。 臨床効果は急性気管支炎13例中, 有効10例, やや有効2例, 無効1例, 気管支肺炎3例は全例有効, 肺炎2例は著効1例, やや有効1例で, 全体の有効率は77.8%であった。 細菌学的には投与前に12例より菌が分離され, うちHaemophilus paravnfluenzae 5株は消失4, 不変1, Haeemopho...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inCHEMOTHERAPY Vol. 37; no. Supplement2; pp. 282 - 291
Main Authors 三浦, 一樹, 金澤, 知博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1989
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:新しい経口用セフェム剤cefdinir (CFDN) を急性呼吸器感染症18例に使用し, その有用性および安全性について検討した。 対象は31歳から80歳までの男性11例, 女性7例で, 本剤100mgカプセルを1日3カプセル毎食後3分服で, 4~14日間経口投与した。 臨床効果は急性気管支炎13例中, 有効10例, やや有効2例, 無効1例, 気管支肺炎3例は全例有効, 肺炎2例は著効1例, やや有効1例で, 全体の有効率は77.8%であった。 細菌学的には投与前に12例より菌が分離され, うちHaemophilus paravnfluenzae 5株は消失4, 不変1, Haeemophoilus parahaemolyticus 4株は消失3, 菌交代1, Klebsiella pneumoniae 2株は不変1, 菌交代1, Haemopkilus influenzae 3株, Streptococcus pneumoniae 2株およびKlebsiellaoxytoca, Enterobacter cloacae, Enterobacter agglomerans各1株は全て消失で, 全体の菌消失率は89.5%であった。 自他覚的副作用は1例も認められず, 臨床検査値異常としてGOT・GPTの上昇を1例に認めたが, 軽度であり, 投与終了後正常に復した。 以上より, CFDNは急性呼吸器感染症に対して有用な薬剤と考えられた。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.37.Supplement2_282