壁外発育型直腸癌の1例

症例は73歳女性で残便感と粘血便を主訴に入院した.臨床的には直腸癌が疑われたが, 4度にわたる生検検査にても直腸癌との確定診断は得られず, QOL改善のためのストーマ造設術のみを施行.その後,不幸な転帰を辿り,病理解剖にて壁外発育型直腸癌と診断された例を経験した.壁外に腫瘤を形成する伸展形式の大腸癌は,われわれが検索しえた限り本邦での報告例は25例でありそのうち直腸癌は3例にすぎないものの直腸癌の診断に関しては,本症例のような特殊な発育形式の存在を常に念頭におき対処していかねばならない....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 65; no. 10; pp. 2718 - 2722
Main Authors 関川, 浩司, 小野, 俊之, 左雨, 元樹, 斎藤, 元伸, 竹之下, 誠一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.10.2004
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.65.2718

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Summary:症例は73歳女性で残便感と粘血便を主訴に入院した.臨床的には直腸癌が疑われたが, 4度にわたる生検検査にても直腸癌との確定診断は得られず, QOL改善のためのストーマ造設術のみを施行.その後,不幸な転帰を辿り,病理解剖にて壁外発育型直腸癌と診断された例を経験した.壁外に腫瘤を形成する伸展形式の大腸癌は,われわれが検索しえた限り本邦での報告例は25例でありそのうち直腸癌は3例にすぎないものの直腸癌の診断に関しては,本症例のような特殊な発育形式の存在を常に念頭におき対処していかねばならない.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.65.2718