呼吸器感染症におけるT-1982の使用経験

新しく開発されたCephamycin系抗生剤T-1982により, 呼吸器感染症14例を治療し, 次のような結果を得た。成績は著効4例, 有効7例, やや有効2例, 無効1例で, 有効率は78.6%であった。やや有効, 無効例3例のうち, 2例は肺化膿症, 1例は肺炎であり, 気道感染症に対しては6例全例に有効以上の成績が得られた。副作用は特に認められなかったが, 検査値異常として, 6例に軽度のトランスアミナーゼの上昇が認められた。このうち4例は投与前から肝機能異常が認められていたもの, または長期投与例である。したがって本剤との関係を疑われるものは2例であろう。これらの肝機能異常は, 投与終...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inCHEMOTHERAPY Vol. 30; no. Supplement3; pp. 582 - 586
Main Authors 原田, 泰子, 樋口, 和行, 大串, 修, 重松, 信昭, 二宮, 清, 宮崎, 信義
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1982
Online AccessGet full text
ISSN0009-3165
1884-5894
DOI10.11250/chemotherapy1953.30.Supplement3_582

Cover

More Information
Summary:新しく開発されたCephamycin系抗生剤T-1982により, 呼吸器感染症14例を治療し, 次のような結果を得た。成績は著効4例, 有効7例, やや有効2例, 無効1例で, 有効率は78.6%であった。やや有効, 無効例3例のうち, 2例は肺化膿症, 1例は肺炎であり, 気道感染症に対しては6例全例に有効以上の成績が得られた。副作用は特に認められなかったが, 検査値異常として, 6例に軽度のトランスアミナーゼの上昇が認められた。このうち4例は投与前から肝機能異常が認められていたもの, または長期投与例である。したがって本剤との関係を疑われるものは2例であろう。これらの肝機能異常は, 投与終了後速やかに正常に復した。以上の結果から, T-1982は気道感染を主とした呼吸器感染症に対して有用な薬剤と考えられた。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.30.Supplement3_582