Cefixime (CFIX) に関する基礎的・臨床的検討

• Published in: CHEMOTHERAPY Vol. 33; no. Supplement6; pp. 367 - 376
• Main Authors: 林, 嘉光, 加藤, 錠一, 山本, 素子, 宇佐美, 郁治, 武内, 俊彦, 黒木, 秀明, 鈴木, 幹三, 加藤, 政仁, 都筑, 瑞夫, 花木, 英和, 岸本, 明比古, 山本, 俊幸
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 公益社団法人 日本化学療法学会 1985
• ISSN: 0009-3165; 1884-5894
• DOI: 10.11250/chemotherapy1953.33.Supplement6_367

Cefixime (CFIX) について抗菌力ならびに臨床効果を検討し以下の結果を得た。 1) 抗菌力: 臨床材料から分離したS. aureus, E. coli, K. pneumoniae, P. mirabilis, P. vulgaris, M. morganii, S. marcescens, P. aeruginosa などの各種細菌188株について本剤のMICを測定し, CCL, CEX, AMPCのそれと比較検討した。本剤のS. aureus に対する抗菌力はCCL, CEX, AMPCより劣るが, E. coli, K, pneumoniae, P. mirabilis に対する抗菌力はそれらより優れ, さらにCCL, CEX, AMPCが無効であるP. vulgaris, M. morganii, S. marcescens にも抗菌力を示した。しかしP. aeruginosa には耐性であった。 2) 臨床成績: 肺炎4例, 急性気管支炎6例, 急性扁桃炎2例, 慢性気管支炎急性増悪3例, びまん性汎細気管支炎急性増悪6例 (同一症例1例), 急性腎孟腎炎1例の計22例の各種感染症に本剤を使用し.副作用のため途中で投与中止した1例を除く21例を効果判定対象とした。臨床効果は著効3例.有効12例, やや有効4例, 無効2例であり有効率は71.4%であった。細菌学的効果は肺炎例で分離されたS. pneumoniae およびP. putida, 急性腎孟腎炎例で分離されたE. coli がそれぞれ除菌されたが, 慢性気道感染症急性増悪例で分離されたS. marcescens, P. aeruginosa, E. coli は持続し, またH. influenzae はK. pneumoniae に交代した。副作用として下痢1例, 心窩部痛1例がみられたが, 臨床検査異常は認めなかった。