新しいエステル型経口用セフェム剤, T-2588の実験動物における体内動態について

各種実験動物におけるT-2588経口投与後の体内動態を検討し, 以下の成績が得られた。 T-2588はイヌを除いた各種実験動物において良好な血中濃度を示し, ゆるやかに血中より消失した。また組織中へも良好に移行し持続的に推移した。尿中排泄率はマウス (33.2%) が最も高く, 次いでウサギ (20.6%), ラット (17.7%) の順で, イヌ (4.2%) が最も低値を示した。ラットにおける胆汁中排泄率は尿中排泄率の約1/50であった。本剤の血中濃度および尿中排泄率は摂餌群の方が絶食群に比べ高値を示し, 食事の影響がみられた。ラットに本剤を連続投与 (50mg/kg×2/day) したと...

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Published inCHEMOTHERAPY Vol. 34; no. Supplement2; pp. 122 - 133
Main Authors 才川, 勇, 保田, 隆, 渡辺, 泰雄, 南, 新三郎, 高橋, 礼子, 貞木, 浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1986
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Summary:各種実験動物におけるT-2588経口投与後の体内動態を検討し, 以下の成績が得られた。 T-2588はイヌを除いた各種実験動物において良好な血中濃度を示し, ゆるやかに血中より消失した。また組織中へも良好に移行し持続的に推移した。尿中排泄率はマウス (33.2%) が最も高く, 次いでウサギ (20.6%), ラット (17.7%) の順で, イヌ (4.2%) が最も低値を示した。ラットにおける胆汁中排泄率は尿中排泄率の約1/50であった。本剤の血中濃度および尿中排泄率は摂餌群の方が絶食群に比べ高値を示し, 食事の影響がみられた。ラットに本剤を連続投与 (50mg/kg×2/day) したときの血中濃度および尿中排泄率は初回投与時と13回投与時の間に差は認められなかった。また四塩化炭素およびD-ガラクトサミンで作製した肝障害ラットにおける血中濃度, 尿中排泄率は正常群とほとんど差が認められなかった。なおパイオオートグラムの結果から, 尿中における抗菌活性物質は親化合物であるT-2525以外認められなかった。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.34.Supplement2_122