外科領域におけるMeropenemの基礎的・臨床的検討
1) 抗菌力: Staphylococcus aureus, Eschenchfa coli, Klebsiella Pneumoniae, Pseudomonas aeruginosaに対するMIC50/MIC90 (μg/ml) はそれぞれ0.78/25, ≦0.05/≦0.05, ≦0.05/≦0.05, 0.39/6.25であり, imipenem (IPM) との比較ではS. aureusに対してはIPMが優るが, 他の3菌種に対しては本剤の抗菌力はIPMの2ないし4倍であった。 2) 体液・組織移行: 本剤500mgを点滴静注した際の各体液・組織内濃度は, 胆管胆汁で2.76ないし...
Saved in:
Published in | CHEMOTHERAPY Vol. 40; no. Supplement1; pp. 520 - 536 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本化学療法学会
1992
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0009-3165 1884-5894 |
DOI | 10.11250/chemotherapy1953.40.Supplement1_520 |
Cover
Summary: | 1) 抗菌力: Staphylococcus aureus, Eschenchfa coli, Klebsiella Pneumoniae, Pseudomonas aeruginosaに対するMIC50/MIC90 (μg/ml) はそれぞれ0.78/25, ≦0.05/≦0.05, ≦0.05/≦0.05, 0.39/6.25であり, imipenem (IPM) との比較ではS. aureusに対してはIPMが優るが, 他の3菌種に対しては本剤の抗菌力はIPMの2ないし4倍であった。 2) 体液・組織移行: 本剤500mgを点滴静注した際の各体液・組織内濃度は, 胆管胆汁で2.76ないし66.00μg/ml, 胆嚢胆汁で1.38ないし32, 60μg/mlに達し, 筋肉, 胆嚢壁, 皮下脂肪, 腹水ではそれぞれ3.05μg/g, 3.65μg/g, 1.80μg/g, 4.50μg/mlの最高濃度が得られた。術後腹腔内膿瘍における膿汁中移行の検討では0.8μg/mlの最高濃度であった。 3) 臨床使用成績: 55例における臨床効果は, 著効9例, 有効32例, やや有効8例, 無効6例で有効率74.5%であった。分離菌別の細菌学的効果は96株中消失71株, 存続18株, 不明7株で消失率79.8%であった。副作用では胃癌末期, 慢性腎障害を伴う症例で腎不全を来した。また, 発疹の2例では投与中止により速やかに回復した。臨床検査値の異常は14例に認め, 腎不全の症例以外では投与終了後に改善を確認した。 |
---|---|
ISSN: | 0009-3165 1884-5894 |
DOI: | 10.11250/chemotherapy1953.40.Supplement1_520 |