耳鳴ラウドネス・バランス検査の再検討

純音性耳鳴計68を対象として, 耳鳴周波数を中心とする3検査周波数でラウドネス・バランス検査を行い以下の結果を得た。 (1) 3検査周波数でのラウドネスには統計学的有意差は認められなかった。 (2) 3検査周波数でのラウドネス一致率は約30%であった。 (3) 隣接する2検査周波数でのラウドネス一致率は約50%であった。 (4) 耳鳴周波数で測定されたラウドネスと耳鳴周波数の聴力レベルとの間には軽度の負の相関が認められた。 (5) 耳鳴の自覚的大きさと耳鳴周波数の聴力レベルとの間には明らかな相関関係は認められなかった。 (6) 各検査周波数でのラウドネス間には正の相関が認められた。 (7) 各...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 33; no. 1; pp. 76 - 83
Main Authors 小川, 郁, 岡田, 行弘, 藤井, みゆき, 國弘, 幸伸, 大内, 利昭, 佐藤, 彰芳, 神崎, 仁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 1990
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ISSN0303-8106
1883-7301
DOI10.4295/audiology.33.76

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Summary:純音性耳鳴計68を対象として, 耳鳴周波数を中心とする3検査周波数でラウドネス・バランス検査を行い以下の結果を得た。 (1) 3検査周波数でのラウドネスには統計学的有意差は認められなかった。 (2) 3検査周波数でのラウドネス一致率は約30%であった。 (3) 隣接する2検査周波数でのラウドネス一致率は約50%であった。 (4) 耳鳴周波数で測定されたラウドネスと耳鳴周波数の聴力レベルとの間には軽度の負の相関が認められた。 (5) 耳鳴の自覚的大きさと耳鳴周波数の聴力レベルとの間には明らかな相関関係は認められなかった。 (6) 各検査周波数でのラウドネス間には正の相関が認められた。 (7) 各検査周波数でのラウドネスと耳鳴の自覚的大きさとの相関係数は0.260以下であった。 (8) 耳鳴の自覚的大きさの評価法の再検討が必要であると考えられた。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.33.76