口腔外科領域におけるtemafloxacinの基礎的検討: 抜歯創および唾液中への移行性について

新合成抗菌剤temafloxacinについて口腔外科領域への適応を基礎的に検討した。 1) 143例の抜歯予定患者を対象に, 本剤を150mgないし300m9服用させ, 抜歯時に抜歯創貯留液をペーパーディスクに採取し濃度を測定した。本剤150mg服用群の51例についてみると, 服用後1~4時間の創濃度が039μg/mlを越える率は41/44 (93, 1%) であった。また300mg服用群92例についてみると, 0.39μg/mlを越える率は73/78例 (93.5%) であった。 2) 9名の健常成人ボランティアに本剤150mgを空腹時と食後投与時の2条件下で服用させ, 経時的に血液および唾...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inCHEMOTHERAPY Vol. 41; no. Supplement5; pp. 723 - 729
Main Authors 森島, 丘, 山崎, 純子, 毒島, 保信, 佐々木, 次郎, 加藤, 久視, 植松, 正孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1993
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0009-3165
1884-5894
DOI10.11250/chemotherapy1953.41.Supplement5_723

Cover

More Information
Summary:新合成抗菌剤temafloxacinについて口腔外科領域への適応を基礎的に検討した。 1) 143例の抜歯予定患者を対象に, 本剤を150mgないし300m9服用させ, 抜歯時に抜歯創貯留液をペーパーディスクに採取し濃度を測定した。本剤150mg服用群の51例についてみると, 服用後1~4時間の創濃度が039μg/mlを越える率は41/44 (93, 1%) であった。また300mg服用群92例についてみると, 0.39μg/mlを越える率は73/78例 (93.5%) であった。 2) 9名の健常成人ボランティアに本剤150mgを空腹時と食後投与時の2条件下で服用させ, 経時的に血液および唾液中の濃度を測定した。 空腹時投与の場合, 最高血中濃度到達時間 (Tmax) 1.80h, 最高血中濃度 (Cmax) 1.07μg/mlであり, 食後投与では各々1.51h, 1.15μg/mlと平均値をみる限り食事の影響をほとんど受けなかった。唾液中濃度は空腹時, 食後投与とも0.61μg/mlで唾液移行率をCmaxから概算すると, 空腹時投与で血清中の62%, 食後投与で47%と, 良好な唾液移行を認めた。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.41.Supplement5_723