Biapenemの体内動態に関する研究

新規カルバペネム系抗生物質biapenem (BIPM) の体内動態を, 既存同系薬剤であるimipenem/cilastatin (IPM/CS) を対照薬としたcross-over法で比較検討した。健常成人男子6名にBIPM300mgまたはIPM/CS 500mg/500mgを30分間点滴静注にて投与し, 経時的に採取した血液および尿中の各薬剤濃度から各パラメータを算出した。最大血中濃度 (Cmax) は, BIPM 18.9±3.0μg/ml, IPM/CS 31.4±6.5μg/ml, 血中濃度一時間下面積 (AUC) は27.17±3.82μg・h/mlと41.74±8.84μg・h...

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Published inCHEMOTHERAPY Vol. 42; no. Supplement4; pp. 277 - 284
Main Authors 齋藤, 玲, 三浦, 敏明, 多羅尾, 史明, 佐藤, 清
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1994
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Summary:新規カルバペネム系抗生物質biapenem (BIPM) の体内動態を, 既存同系薬剤であるimipenem/cilastatin (IPM/CS) を対照薬としたcross-over法で比較検討した。健常成人男子6名にBIPM300mgまたはIPM/CS 500mg/500mgを30分間点滴静注にて投与し, 経時的に採取した血液および尿中の各薬剤濃度から各パラメータを算出した。最大血中濃度 (Cmax) は, BIPM 18.9±3.0μg/ml, IPM/CS 31.4±6.5μg/ml, 血中濃度一時間下面積 (AUC) は27.17±3.82μg・h/mlと41.74±8.84μg・h/mlであった。血漿中半減期 (T1/2β) はBIPM, IPM/CSそれぞれ1.07±0.15hと0.89±0.07h, 腎クリアランスは6.90±0.95l/hと8.07±1.07l/h, 総クリアランスは11.23±1.58l/hと12.45±2.722/h, 12時間までの尿中排泄率は61.5%と66.2%であり, IPM/CSとほぼ同等であった。 BIPMについてはHPLC法による尿中代謝物を測定し, LJC 10, 905 9.2%, LJC 10, 906 10.2%が尿中排泄された。代謝物および未変化体の総尿中排泄率は80.9%であった。 以上の結果よりBIPMはIPM/CSと類似した体内動態を示し, 安定性に優れた薬剤であることが示唆された。 本検討を通じて, 薬剤によると思われる副作用および臨床検査値の異常変動は認められなかった。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.42.Supplement4_277