心タンポナーデで発症した右房原発の血管肉腫の1症例

症例は64才の男性.胸背部痛を主訴に緊急入院となる.心タンポナーデと診断し,心膜穿刺を行い血性の心膜液が得られた.心エコーで右房より三尖弁に至る紐状エコーを認め,これは収縮期および拡張期共に三尖弁の動きに同調していた.血痰が持続し,肺野に結節状陰影およびその周囲に浸潤影を認めた.肋骨への転移を認め,心膜液貯留が持続するため肋骨,肺の生検および心膜開窓術を行い,心原発の血管肉腫であることが診断確定した....

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 78; no. 10; pp. 1488 - 1489
Main Authors 松尾, 裕, 鈴木, 高祐, 谷川, 直, 遠藤, 素夫, 天木, 秀一, 荻原, 章史, 荒川, 泰行, 有賀, 久幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 1989
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.78.1488

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Summary:症例は64才の男性.胸背部痛を主訴に緊急入院となる.心タンポナーデと診断し,心膜穿刺を行い血性の心膜液が得られた.心エコーで右房より三尖弁に至る紐状エコーを認め,これは収縮期および拡張期共に三尖弁の動きに同調していた.血痰が持続し,肺野に結節状陰影およびその周囲に浸潤影を認めた.肋骨への転移を認め,心膜液貯留が持続するため肋骨,肺の生検および心膜開窓術を行い,心原発の血管肉腫であることが診断確定した.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.78.1488