術前に診断した回腸膀胱瘻を伴うCrohn病の2例

Crohn病は再燃を繰り返す炎症性腸疾患で,内・外瘻孔を形成することが知られている.しかし,その多くが腸管腸管瘻であり,腸管膀胱瘻は比較的稀である.今回,回腸膀胱瘻を伴ったCrohn病の2例を経験したので報告する. 症例1: 36歳,男性.腹痛,発熱,気尿,糞尿を主訴に来院した. 19歳時にCrohn病と診断されていた.膀胱鏡検査で膀胱前壁から便の流入を,小腸造影検査で回腸と膀胱の瘻孔を認め,回腸膀胱瘻と診断し,回腸部分切除,膀胱部分切除を施行した. 症例2: 34歳,男性.下腹部痛,発熱,糞尿を主訴に来院した. 27歳時にCrohn病と診断されていた.腹部CT検査で膀胱内にair像を認めた....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 67; no. 10; pp. 2405 - 2409
Main Authors 冨木, 裕一, 丹羽, 浩一郎, 田中, 真伸, 坂本, 一博, 秦, 政輝, 五藤, 倫敏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.10.2006
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.67.2405

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Summary:Crohn病は再燃を繰り返す炎症性腸疾患で,内・外瘻孔を形成することが知られている.しかし,その多くが腸管腸管瘻であり,腸管膀胱瘻は比較的稀である.今回,回腸膀胱瘻を伴ったCrohn病の2例を経験したので報告する. 症例1: 36歳,男性.腹痛,発熱,気尿,糞尿を主訴に来院した. 19歳時にCrohn病と診断されていた.膀胱鏡検査で膀胱前壁から便の流入を,小腸造影検査で回腸と膀胱の瘻孔を認め,回腸膀胱瘻と診断し,回腸部分切除,膀胱部分切除を施行した. 症例2: 34歳,男性.下腹部痛,発熱,糞尿を主訴に来院した. 27歳時にCrohn病と診断されていた.腹部CT検査で膀胱内にair像を認めた.小腸造影検査で回腸と膀胱の瘻孔を認め,回腸膀胱瘻と診断した. Crohn病によるS状結腸狭窄も認め,膀胱部分切除,回腸・S状結腸部分切除術を施行した.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.67.2405