3領域リンパ節郭清施行胸部食道癌例における頸部リンパ節転移の検討

3領域リンパ節郭清施行胸部食道癌225例を対象に頸部リンパ節転移診断および郭清の適応について検討した.胸部より頸胸境界部郭清を先行し,頸部よりの郭清が必要であったNo. 100, 104および101, 102リンパ節の一部を頸部リンパ節とすると,頸部リンパ節転移は17例 (8%) に認められた.その平均転移リンパ節個数は11.5個と多く, 17例のうち無再発長期生存例は無かった. 6例では深達度があさく,転移リンパ節個数も少なかったが,いわゆるlymphatic disseminationの例が多く,特にEi例では頸部郭清の意義は低いと思われた.頸部リンパ節は胸部・腹部のリンパ節より有意に小さ...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 60; no. 11; pp. 2822 - 2830
Main Authors 船井, 隆伸, 徳原, 太豪, 西村, 良彦, 李, 栄柱, 東野, 正幸, 高田, 信康, 竹村, 雅至, 藤田, みゆき, 大杉, 治司, 田口, 伸一, 奥田, 栄樹, 木下, 博明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.11.1999
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.60.2822

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Summary:3領域リンパ節郭清施行胸部食道癌225例を対象に頸部リンパ節転移診断および郭清の適応について検討した.胸部より頸胸境界部郭清を先行し,頸部よりの郭清が必要であったNo. 100, 104および101, 102リンパ節の一部を頸部リンパ節とすると,頸部リンパ節転移は17例 (8%) に認められた.その平均転移リンパ節個数は11.5個と多く, 17例のうち無再発長期生存例は無かった. 6例では深達度があさく,転移リンパ節個数も少なかったが,いわゆるlymphatic disseminationの例が多く,特にEi例では頸部郭清の意義は低いと思われた.頸部リンパ節は胸部・腹部のリンパ節より有意に小さく,最長径5mm以上を転移陽性とした場合, sensitivity; 80%, specificity; 68%で診断が可能であった.従って,頸部の詳細な超音波検査が重要で,頸部リンパ節転移ありと判定された例には,術前合併療法の工夫が必要と思われた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.60.2822