新経口セフェム剤, ME 1207の実験動物における体内動態
新経口セフェム剤ME 1207をマウス, ラット, イヌに経口投与し抗菌活性体ME 1206の体内動態を中心に検討した。 1. ME 1207は主に小腸上部より吸収され循環血中には活性体ME 1206として移行した。 2. ME 1207をマウスに10mg/kg, ラット. イヌに20mg/kg経口投与した際のME 1206平均血漿中濃度はマウス, ラットでは投与後0.5時間, イヌでは投与後1時間で最高値を示した。 3. ME 1207経口投与およびME 1206静脈内投与でのAUC比より求めた吸収率はマウス55.6%, ラット20.2%, イヌ9.5%であった。 4. ラットにME 120...
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Published in | CHEMOTHERAPY Vol. 40; no. Supplement2; pp. 120 - 130 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本化学療法学会
1992
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Subjects | |
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Summary: | 新経口セフェム剤ME 1207をマウス, ラット, イヌに経口投与し抗菌活性体ME 1206の体内動態を中心に検討した。 1. ME 1207は主に小腸上部より吸収され循環血中には活性体ME 1206として移行した。 2. ME 1207をマウスに10mg/kg, ラット. イヌに20mg/kg経口投与した際のME 1206平均血漿中濃度はマウス, ラットでは投与後0.5時間, イヌでは投与後1時間で最高値を示した。 3. ME 1207経口投与およびME 1206静脈内投与でのAUC比より求めた吸収率はマウス55.6%, ラット20.2%, イヌ9.5%であった。 4. ラットにME 1207を100mg/kg経口投与後, 活性体ME 1206は速やかに各組織に移行し, 腎および肝で高い濃度を示した。 5. ME 1207 20mg/kg経口投与後24時間までのME 1206尿中排泄率はマウスで21.6%, ラットで4.0%, イヌで2.7%であった。胆汁中排泄率はラットで11.0%であった。 6. 食餌摂取の有無によるME 1207の吸収への影響を検討したところ, 摂餌群においてラットでは吸収の遅れがみられ, イヌでは吸収の増大が観察された。 7. D-ガラクトサミン投与で作製した肝障害ラットにおいてME 1207経口投与後のME 1206血漿中濃度は対照群よりも持続する傾向を示した。 8. 幼若ラットおよび幼若イヌにME 1207を経口投与し, 血漿中ME 1206濃度推移を成熟動物と比較したところ, 半減期の遅延およびAUCの増大が認められた。 9. ラット尿, 胆汁においてME 1206以外に活性代謝物は認められなかった。 |
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ISSN: | 0009-3165 1884-5894 |
DOI: | 10.11250/chemotherapy1953.40.Supplement2_120 |