糖尿病患者にみられた突発難聴

糖尿病患者にみられた突発難聴症例11例について, 突発難聴の臨床的経過および糖尿病の状態との関係を検討した。 11例すべて一側性で, 非糖尿病患者の突発性難聴と臨床症状はほぼ同じであるが, 難聴の程度が高度のものが多く, 数日かかって難聴の進行したものが11例中3例みられた。 過去の報告例では突発難聴の原因として糖尿病による血管病変の関与をあげているものが多いため, HbA1c, 網膜病変, 尿蛋白を指標として, 糖尿病の状態と難聴の程度および予後との関係を検討したところ, 網膜症のあるものでは難聴が高度であるということ以外相関はみとめられなかった。 治療は血糖をコントロールしながらステロイド...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 34; no. 2; pp. 97 - 103
Main Authors 川端, 五十鈴, 中村, 雅一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 1991
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ISSN0303-8106
1883-7301
DOI10.4295/audiology.34.97

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Summary:糖尿病患者にみられた突発難聴症例11例について, 突発難聴の臨床的経過および糖尿病の状態との関係を検討した。 11例すべて一側性で, 非糖尿病患者の突発性難聴と臨床症状はほぼ同じであるが, 難聴の程度が高度のものが多く, 数日かかって難聴の進行したものが11例中3例みられた。 過去の報告例では突発難聴の原因として糖尿病による血管病変の関与をあげているものが多いため, HbA1c, 網膜病変, 尿蛋白を指標として, 糖尿病の状態と難聴の程度および予後との関係を検討したところ, 網膜症のあるものでは難聴が高度であるということ以外相関はみとめられなかった。 治療は血糖をコントロールしながらステロイドを投与したが, 合併症の新たな発生や進行は認められず, 予後は不良ではなかった。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.34.97