外科領域における新カルバペネム系抗生物質panipenem/betamipronの基礎的-臨床的検討

• Published in: CHEMOTHERAPY Vol. 39; no. Supplement3; pp. 526 - 533
• Main Authors: 古畑, 久, 岩井, 重富, 佐藤, 毅, 国松, 正彦, 西川, 亨, 泉, 正隆, 加藤, 高明, 李, 吉来, 田中, 日出和, 千島, 由朗, 阿久津, 昌久, 新井, 尚之, 石崎, かおり, 藤井, 雅志, 坂部, 孝, 田中, 隆
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 公益社団法人 日本化学療法学会 1991
• Subjects: PAPM/BP; カルバペネム; 外科領域感染症; 抗菌力
• ISSN: 0009-3165; 1884-5894
• DOI: 10.11250/chemotherapy1953.39.Supplement3_526

カルバペネム系抗生物質panipenem (PAPM) とbetamipron (BP; N・ベンゾイルーβ-アラニン) を1:1 (重量比) に配合した注射用抗生物質であるpanipenem/betamipron (PAPM/BP) について基礎的, 臨床的検討を行った。 PAPMの外科系臨床分離菌に対するMICの測定は, 接種菌量による影響を検討する目的で原液 (108 cell/ml) および100倍希釈菌液 (106cell/ml) にて行ったが, 以下原液について述べる。Escherichia coli (20株) では6.25μg/mlの5株を除いて, すべて0.8μg/ml以下で阻止された。Klebsiella pneumoniae (25株) ではすべて1.56μg/ml以下で阻止された。Enterobacter cloacae (23株) では0.8から6.25μg/mlに分布し, peak値は3.13μg/mlであった。Pseudomomsaemginosa (25株) では3.13から50μg/mlに分布し, peak値は6.25μg/mlであった。2) 総胆管結石術後患者3例に本剤0.5g/0.5gを30分点滴静注し, 血漿中および胆汁中濃度を測定 (bioassay法) した。血漿中濃度 (n=3) は30分点滴静注終了直後にpeak値29.55±10.31μg/磁1を示し, 1時間後16.21±5.35μg/ml, 2時間後7.23±0.85μg/mlおよび6時間後は0.92±0.32μg/mlを示した。T1/2βは1.20±0.14時間であった。胆汁中1農度 (n=3) は30分点滴静注終了直後3.17±3.64μg/ml, 1時間後にpeak値8.37±5.84μg/mlを示し, その後2時間後7.16±1.36μg/ml, 6時間後0.73±0.31μg/mlを示した