TMS-19-Qに関する基礎的, 臨床的検討
新マクロライド系抗生剤TMS-19-Qについて, 基礎的, 臨床的検討を行ない, 次の成績を得た。 1) 抗菌力 抗マイコプラズマ作用: 臨床分離Mycoplasma pneumoniae (M. pneumoniae) 50株についてのMICを測定したところ, 本剤のMICは0.015μg/mlにピークがみられ, Josamycin (JM), Oleandomycin (OL) より優れていた。また, M. pneumoniae に対する本剤の発育抑制効果を試験管内で検討し, 高濃度を作用させた.場合には, 殺菌的効果がみられた。次に, ハムスターにおける実験的マイコプラズマ感染症に対する...
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Published in | CHEMOTHERAPY Vol. 32; no. Supplement6; pp. 346 - 357 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本化学療法学会
1984
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ISSN | 0009-3165 1884-5894 |
DOI | 10.11250/chemotherapy1953.32.Supplement6_346 |
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Summary: | 新マクロライド系抗生剤TMS-19-Qについて, 基礎的, 臨床的検討を行ない, 次の成績を得た。 1) 抗菌力 抗マイコプラズマ作用: 臨床分離Mycoplasma pneumoniae (M. pneumoniae) 50株についてのMICを測定したところ, 本剤のMICは0.015μg/mlにピークがみられ, Josamycin (JM), Oleandomycin (OL) より優れていた。また, M. pneumoniae に対する本剤の発育抑制効果を試験管内で検討し, 高濃度を作用させた.場合には, 殺菌的効果がみられた。次に, ハムスターにおける実験的マイコプラズマ感染症に対する本剤の効果を検討したところ, 3日目より肺内菌数は減少し, 6~10日後には, ほとんど消失して, 対照に用いたJMよりもかなり優れた成績が得られた。 レジオネラに対する抗菌力: 教室保存のLegionella pneumophila 50株に対する本剤の in vitro効果を検討したところ, Erythromycin (EM) と同等の抗菌力が認められた。 一般細菌に対する抗菌力: 臨床分離株Streptococcus pneumoniae, Streptococcus pyogenes, Staphylococcus epidermidis, Streptococcus faecalis に対する本剤のMICは, JMより優れ, EMと同等であった。 2) 体内動態 健康成人6例にTMS-19-Q・0錠 (以下0錠) と, TMS-19-Q・GC錠 (以下GC錠) のそれぞれ600mgを, クロスオーパー法にて経口投与し, その血中濃度を測定した。最高血中濃度は, いずれの場合も30分後に得られ, その平均値は, 0錠で0.5μg/ml, Gc錠で1.8μg/mlと, GC錠で約3.5倍の濃度が得られた。慢性気管支炎4例にGC錠600mgを投与した際の最高喀痰内濃度は1~4時間の間にピークがみられ, その平均最高喀痰内濃度は0.21μg/mlを示した。尿中には6時間までにその3.3%が排泄された。 3) 臨床成績 呼吸器感染症29例を対象にGC錠200mgを1日3回, 4~19日間経口投与を行なったところ著効10例, 有効15例, やや有効2例, 無効2例の成績が得られ, その有効率は86.2%であった。副作用は自・他覚的に何らかの訴えを生じたものはなく, 臨床検査値の異常も認められなかった。 |
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ISSN: | 0009-3165 1884-5894 |
DOI: | 10.11250/chemotherapy1953.32.Supplement6_346 |