c-mplの発現異常をみとめた先天性無巨核球性血小板減少症の1例

先天性無巨核球性血小板減少症 (CAMT) は血小板減少および骨髄での巨核球の欠如を認め, 成長とともに汎血球減少を呈する稀な疾患である.近年, 骨髄単核球でthrombopoietin receptor (c-mpl) の異常が報告されている.症例は10歳男乳.ITPとしてfbllowされていたが, 骨髄検査で巨核球は認められず, 各種ITPの治療に反応不良であり, 9歳時より汎血球減少を認めるようになった.これらよりCAMTを疑い骨髄単核球でのc-kit, c-mplの発現をPCR法にて検討した.c-kitのmRNAの発現は認められstemcellの存在は示唆されたが, c-mplのmRN...

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Published in日本小児血液学会雑誌 Vol. 14; no. 1; pp. 37 - 41
Main Authors 池宮, 美佐子, 吉田, 信之, 細井, 岳, 迫, 正廣, 石井, 榮一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会 29.02.2000
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ISSN0913-8706
1884-4723
DOI10.11412/jjph1987.14.37

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Summary:先天性無巨核球性血小板減少症 (CAMT) は血小板減少および骨髄での巨核球の欠如を認め, 成長とともに汎血球減少を呈する稀な疾患である.近年, 骨髄単核球でthrombopoietin receptor (c-mpl) の異常が報告されている.症例は10歳男乳.ITPとしてfbllowされていたが, 骨髄検査で巨核球は認められず, 各種ITPの治療に反応不良であり, 9歳時より汎血球減少を認めるようになった.これらよりCAMTを疑い骨髄単核球でのc-kit, c-mplの発現をPCR法にて検討した.c-kitのmRNAの発現は認められstemcellの存在は示唆されたが, c-mplのmRNAの発現は認めなかった.また, 血中のTPOは18.08fmole/mlと異常高値を示した.以上よりc-mplの発現異常を有するCAMTと考えた.予後不良な疾患のため10歳時, 非血縁者間臍帯血移植を施行した.
ISSN:0913-8706
1884-4723
DOI:10.11412/jjph1987.14.37