乳房温存療法に伴う放射線照射後に発症したBOOP様肺炎の1例
症例は59歳の女性.平成17年1月,左乳癌にて乳房部分切除術およびsentinel node biopsy (SNB)とsamplingを受けた.術後は化学療法と放射線治療を施行し,ひきつづきホルモン療法を行っていた.放射線照射後5カ月経過後から発熱や咳漱を認め,胸部単純X線写真にて左中肺野に浸潤影を認めた.抗生剤投与にても改善せず,炎症所見は認めるものの,感染所見がみられないためBronchiolitis Obliterans Organizing Pneumonia (BOOP) を疑った.ステロイド投与を施行したところ,著明な改善を認め,外来治療となったが,ステロイド経口摂取治療漸減中に...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 67; no. 11; pp. 2574 - 2578 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
25.11.2006
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.67.2574 |
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Summary: | 症例は59歳の女性.平成17年1月,左乳癌にて乳房部分切除術およびsentinel node biopsy (SNB)とsamplingを受けた.術後は化学療法と放射線治療を施行し,ひきつづきホルモン療法を行っていた.放射線照射後5カ月経過後から発熱や咳漱を認め,胸部単純X線写真にて左中肺野に浸潤影を認めた.抗生剤投与にても改善せず,炎症所見は認めるものの,感染所見がみられないためBronchiolitis Obliterans Organizing Pneumonia (BOOP) を疑った.ステロイド投与を施行したところ,著明な改善を認め,外来治療となったが,ステロイド経口摂取治療漸減中に,右肺野に浸潤影を認め,再度ステロイドを増量し改善が得られ治癒した.乳癌術後放射線治療後にはBOOPを呈することがあり,外科医としても注意して認識すべき合併症と思われた. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.67.2574 |