外科領域における新アミノ配糖体抗生物質HBKの基礎的・臨床的検討

• Published in: CHEMOTHERAPY Vol. 34; no. Supplement1; pp. 575 - 582
• Main Authors: 岡, 隆宏, 田中, 承男, 大森, 吉弘, 伊志嶺, 玄公, 上田, 泰章, 清水, 正啓, 黒岩, 延男, 宮内, 卓, 高橋, 俊三, 柴田, 純祐, 田部, 志郎, 木村, 研志
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 公益社団法人 日本化学療法学会 1986
• ISSN: 0009-3165; 1884-5894
• DOI: 10.11250/chemotherapy1953.34.Supplement1_575

新アミノ配糖体抗生物質HBKの各種外科感染症に対する治療成績ならびにヒト体液内移行を検討し以下の結果を得た。 (1) 外科領域の各種感染症31例に対して, HBK75mgを1日1～2回筋注投与して得られた臨床効果は, 著効6例, 有効17例, 無効8例で有効率74.2%であった。 (2) 本剤投与により1例に腹痛および下痢の副作用が認められた。また, 臨床検査所見では2例にGOT, GPTの軽度上昇が認められた。 (3) HBKの胆汁中への移行はきわめて低いが, 胆嚢組織内濃度は高値であった。 (4) 腎不全患者ではHBKの血中停滞が遷延するが, 血液透析施行初期にはかなりの排泄が認められた。