BAY o 9867 (Ciprofloxacin) の臨床第一相試験

健常成人男子志願者25名を対象にBAY o 9867 (Ciprofloxacin) の臨床第一相試験を行い, ヒトでの安全性と吸収・排泄について検討した。単回投与群では200, 400および600mgを食前に経口投与した。また, 200mgを食前あるいは食後にクロス・オーバー法により投与し食事の影響を検討した。連続投与群では1日量を600mgとし, 毎食後200mgずつ3回, 7日間経口投与した。 自覚症状として, 600mg 1回投与群の1例に眠気が, 200mgのクロス・オーバー投与で食後投与時の1例に軽度の胸やけが訴えられた。連続投与群では1例に軽度の頭痛が, 他の1例に投薬終了後翌日...

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Published inCHEMOTHERAPY Vol. 33; no. Supplement7; pp. 140 - 170
Main Authors 小林, 宏行, 志村, 政文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1985
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ISSN0009-3165
1884-5894
DOI10.11250/chemotherapy1953.33.Supplement7_140

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Summary:健常成人男子志願者25名を対象にBAY o 9867 (Ciprofloxacin) の臨床第一相試験を行い, ヒトでの安全性と吸収・排泄について検討した。単回投与群では200, 400および600mgを食前に経口投与した。また, 200mgを食前あるいは食後にクロス・オーバー法により投与し食事の影響を検討した。連続投与群では1日量を600mgとし, 毎食後200mgずつ3回, 7日間経口投与した。 自覚症状として, 600mg 1回投与群の1例に眠気が, 200mgのクロス・オーバー投与で食後投与時の1例に軽度の胸やけが訴えられた。連続投与群では1例に軽度の頭痛が, 他の1例に投薬終了後翌日の採血時に軽度の貧血様発作がみられたが, これらはいずれも一過性であった。その他の自・他覚症状, 血圧, 脈拍数, 呼吸数, 体温, 心電図, 血液一般検査, 血液生化学検査, 尿検査において, BAY o 9867の投与に関連していると思われる異常所見は認められなかった。ただ, 200mg連続投与の一例にGPTの軽度上昇が見られたが, 本例においては, 関連するGOT, Al-P, γ-GTPはいずれも正常範囲内であり, 本剤が肝機能に対し重大な影響をおよぼしたものとはみられないが, 今後の試験において肝機能異常を注意する必要があるものと考えられた。 BAY o 9867 200, 400および600mgを1回経口投与した際の血清中濃度は, 投与後1.5~2時間でピークを示し, その濃度はそれぞれ1.21, 2.45および3.33μg/mlであった。また, 血中からの消失半減期は2.76~5.71時間であった。投与後24時間までの尿中回収率は44.6~54.4%であった。食後投与では食前投与に比し吸収がやや遅延するものの類似したAUCを示し吸収率には差がないと考えられた。連続投与試験では血清中濃度の推移ならびに尿中排泄率からみて蓄積傾向は認められなかった。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.33.Supplement7_140