呼吸器感染症におけるtemafloxacinの効果および血清・喀痰中の薬動力学的検討
呼吸器感染症12例にtemafloxacin (TMFX) を投与し, その臨床効果と安全性を検討した。対象は肺炎, マイコプラズマ肺炎, 感染性嚢胞各1例, 気道感染症9例であった。気道感染症の内訳は気管支拡張症8例, びまん性汎細気管支炎1例であった。投与量は100mgないし300mgを1日2ないし3回投与した。 臨床効果は, 12例中有効8例, やや有効2例, 無効2例で有効率は67%であった。細菌学的効果は, Haemophilus influenzae 2株は消失, Pseudomonas aeruginosa 3株中1株減少, 2株は存続した。ブドウ糖非発酵菌1株も存続した。副作用...
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Published in | CHEMOTHERAPY Vol. 41; no. Supplement5; pp. 361 - 368 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本化学療法学会
1993
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Subjects | |
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ISSN | 0009-3165 1884-5894 |
DOI | 10.11250/chemotherapy1953.41.Supplement5_361 |
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Summary: | 呼吸器感染症12例にtemafloxacin (TMFX) を投与し, その臨床効果と安全性を検討した。対象は肺炎, マイコプラズマ肺炎, 感染性嚢胞各1例, 気道感染症9例であった。気道感染症の内訳は気管支拡張症8例, びまん性汎細気管支炎1例であった。投与量は100mgないし300mgを1日2ないし3回投与した。 臨床効果は, 12例中有効8例, やや有効2例, 無効2例で有効率は67%であった。細菌学的効果は, Haemophilus influenzae 2株は消失, Pseudomonas aeruginosa 3株中1株減少, 2株は存続した。ブドウ糖非発酵菌1株も存続した。副作用, 臨床検査値異常はみられなかった。 びまん性汎細気管支炎2例において本剤の血清・喀痰中の薬動力学的検討を行った。本剤300mg1回投与後の薬動力学的パラメータは, 血清およひ喀痰中で類似しており, 本剤は喀痰中に血清とほぼ同一相で移行していると考えられた。 TMFXの喀痰中移行は良好であり, 呼吸器感染症に対する有効性が示唆された。 |
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ISSN: | 0009-3165 1884-5894 |
DOI: | 10.11250/chemotherapy1953.41.Supplement5_361 |