呼吸器感染症に対するcefozopranの基礎的, 臨床的検討
新しく開発された注射用セフェム系抗生物質cefozopran (CZOP) について, 基礎的ならびに臨床的に検討を行い, 以下の結果を得た。 1. 基礎的検討: 各種臨床分離菌13菌種321株を用いて, cefozopran (CZOP) とセフェム系抗生剤 ceftazidime (CAZ), cefuzonam (CZON), ceftizoxime (CZX) とカルバペネム系抗生剤 imipenem/cilastatin (IPM/CS) との抗菌力を比較した。CZOPはセフェム系3剤と比しグラム陽性菌に対して優れ, IPM/CSと比しグラム陰性菌ではやや優れた抗菌力を示した。 2....
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Published in | CHEMOTHERAPY Vol. 41; no. Supplement4; pp. 261 - 268 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本化学療法学会
1993
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Subjects | |
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Summary: | 新しく開発された注射用セフェム系抗生物質cefozopran (CZOP) について, 基礎的ならびに臨床的に検討を行い, 以下の結果を得た。 1. 基礎的検討: 各種臨床分離菌13菌種321株を用いて, cefozopran (CZOP) とセフェム系抗生剤 ceftazidime (CAZ), cefuzonam (CZON), ceftizoxime (CZX) とカルバペネム系抗生剤 imipenem/cilastatin (IPM/CS) との抗菌力を比較した。CZOPはセフェム系3剤と比しグラム陽性菌に対して優れ, IPM/CSと比しグラム陰性菌ではやや優れた抗菌力を示した。 2. 体液内濃度: 慢性気管支炎患者1例において, 本剤1gを30分間点滴静注したところ, 点滴静注終了直後に最高血中濃度50.7μg/mlを認め, 最高喀痰濃度は1~2時間後に4.1μg/mlを示し, 本剤の速やかで良好な肺内移行性が示唆された。 3. 臨床的検討: 呼吸器感染症16例 (肺炎11例, 慢性気管支炎4例, 急性気管支炎1例) にCZOPを投与した。臨床効果は, 著効9例, 有効5例, やや有効1例, 不変1例で87.5%の有効率を示した。副作用は認めず, 臨床検査値異常は2例に軽度なGPTの上昇が認められた。 以上のことから, 本剤は呼吸器感染症に対し有用な薬剤であると考える。 |
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ISSN: | 0009-3165 1884-5894 |
DOI: | 10.11250/chemotherapy1953.41.Supplement4_261 |