肛門管の粘膜上皮の形態

ヒトの肛門から直腸にかけての上皮の形態を光学顕微鏡、走査電子顕微鏡および透過電子顕微鏡を用いて調べた。組織学的所見から、我々は肛門縁から肛門直腸結合部までを肛門管と定義し、その長さは約4cmであった。さらに、肛門管を歯状線上部と歯状線下部に二分した。肛門と歯状線下部の上皮は角化重層扁平上皮からなり、歯状線下部における角化の程度は肛門よりも弱かった。歯状線上部 (肛門柱と肛門洞) は非角化重層扁平上皮からなっていた。肛門管と直腸の境界は明瞭で、直腸は単層円柱上皮からなっていた。結果的に肛門管は物理的刺激に対して強く保護されているが、直腸は形態学的に刺激に対して弱い構造であった。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in形態・機能 Vol. 5; no. 1; pp. 17 - 22
Main Authors 柴田, 興彦, 島田, 和幸, 島田, 達生, 下高原, 理恵, 河野, 麻理
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published コ・メディカル形態機能学会 2006
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1347-7145
1884-6084
DOI10.11172/keitaikinou2002.5.17

Cover

More Information
Summary:ヒトの肛門から直腸にかけての上皮の形態を光学顕微鏡、走査電子顕微鏡および透過電子顕微鏡を用いて調べた。組織学的所見から、我々は肛門縁から肛門直腸結合部までを肛門管と定義し、その長さは約4cmであった。さらに、肛門管を歯状線上部と歯状線下部に二分した。肛門と歯状線下部の上皮は角化重層扁平上皮からなり、歯状線下部における角化の程度は肛門よりも弱かった。歯状線上部 (肛門柱と肛門洞) は非角化重層扁平上皮からなっていた。肛門管と直腸の境界は明瞭で、直腸は単層円柱上皮からなっていた。結果的に肛門管は物理的刺激に対して強く保護されているが、直腸は形態学的に刺激に対して弱い構造であった。
ISSN:1347-7145
1884-6084
DOI:10.11172/keitaikinou2002.5.17