Cefadroxil (BL-S578) の耳鼻咽喉科領域における基礎的ならびに臨床的検討

(1) 耳鼻咽喉科領域感染症患者の病巣から分離した菌に対するCefadroxilのMIC測定の結果, S. aureus 22株では0.68~6.25μg/mlに分布し, ピークは3.13μg/mlにみられた。S. epidermidis19株では≦0.20~25μg/mlまで広く分布し, ピークは1.56μg/mlにみられた。両菌株ともCEXとの相関性はよく, Cefadroxilの方が抗菌力においてややすぐれている結果を得た。 (2) Cefadmxilの血清および扁桃移行濃度測定のため, 小児の扁桃摘出患者を対象に, 本剤250mgを経口投与し, 2時間後のそれぞれの移行濃度を測定した。...

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Published inCHEMOTHERAPY Vol. 28; no. Supplement2; pp. 489 - 493
Main Authors 馬場, 駿吉, 本堂, 潤, 加藤, 滋郎, 和田, 健二, 波多野, 努
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1980
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ISSN0009-3165
1884-5894
DOI10.11250/chemotherapy1953.28.Supplement2_489

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Summary:(1) 耳鼻咽喉科領域感染症患者の病巣から分離した菌に対するCefadroxilのMIC測定の結果, S. aureus 22株では0.68~6.25μg/mlに分布し, ピークは3.13μg/mlにみられた。S. epidermidis19株では≦0.20~25μg/mlまで広く分布し, ピークは1.56μg/mlにみられた。両菌株ともCEXとの相関性はよく, Cefadroxilの方が抗菌力においてややすぐれている結果を得た。 (2) Cefadmxilの血清および扁桃移行濃度測定のため, 小児の扁桃摘出患者を対象に, 本剤250mgを経口投与し, 2時間後のそれぞれの移行濃度を測定した。その結果, 血清4例の平均値は9.5μg/mlであり, 口蓋扁桃4例の組織内濃度の平均値は1.4μg/gであった。血清については, CEX, CED, CFTより高い値を示し, 扁桃ではCEX>CED>Cefadroxil>CFTの順であった。 (3) 耳鼻咽喉科領域感染症17例に対して実施した臨床治験成績では, 著効7例, 有効4例, やや有効3例, 無効3例で, 著効, 有効あわせた有効率は64.7%であった。 副作用は全例に認められなかった。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.28.Supplement2_489