複雑性尿路感染症に対するHAPA-Bの臨床的検討

• Published in: CHEMOTHERAPY Vol. 33; no. Supplement5; pp. 592 - 598
• Main Authors: 山本, 敏廣, 平山, 英雄, 山崎, 浩藏, 池上, 奎一, 寺崎, 博, 崎山, 仁, 鍋倉, 康文, 上野, 文麿, 西, 正夫, 土岐, 直隆, 下村, 貴文, 村上, 励
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 公益社団法人 日本化学療法学会 1985
• ISSN: 0009-3165; 1884-5894
• DOI: 10.11250/chemotherapy1953.33.Supplement5_592

アミノ配糖体系抗生剤であるHAPA-B400mg/日を複雑性尿路感染症18例に投与し, 次の結果を得た。 1) UTI薬効評価基準に基づく総合臨床効果では, UTI薬効評価基準合致症例7例中著効1例, 有効4例, 無効2例で, 有効率は71.4%であり, 主治医判定可能であった18例の総合臨床効果は833%であった。 2) 疾患病態群別効果では単独感染は100%の有効率で, 混合感染ではカテーテル留置群で100%, 非留置群で33.3%であった。 3) UTI薬効評価基準に基づく細菌学的効果では, 検出菌14株に対する菌消失率は78.6%であり, Serratia属4株のすべてが消失した。また, 主治医による細菌学的効果判定では, 検出菌33株中26株 (78.8%) が消失し, Serratia属9株すべてが消失した。 4) 自他覚的副作用はみられず, 臨床検査成績ではGPTの一過性上昇が1例あった。 5) HAPA-Bは複雑性尿路感染症に対し優れた効果を示し, 特にSerratia感染症に有効な薬剤と考えられた。