大網原発と考えられた巨大平滑筋肉腫の1例

症例は73歳,女性.子宮頸癌術後にて婦人科外来で経過観察中に,腹部全体に圧痛を伴わない弾性硬で可動性不良な腫瘤を指摘され,精査加療目的に紹介された.腹部CT,腹部血管造影にて腹腔内に左右胃大網動脈を主たる栄養血管とする約20×16×8 cmの充実性,分葉状の境界明瞭な腫瘤を認めた.腫瘍マーカーはCEA, CA19-9, SCC共に正常であった.大網原発の腫瘍,特に肉腫を疑い左右胃大網動脈の塞栓術および腫瘍の摘出術を行った.摘出標本は大きさ16×19×10cm,重さ1.5kgであった.病理所見,免疫組織学的検査によりGISTは否定され大網原発の平滑筋肉腫と診断した.術後1年6月経過した現在までに...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 64; no. 10; pp. 2608 - 2612
Main Authors 菊池, 守, 堀米, 直人, 疋田, 仁志, 千賀, 脩, 宮川, 信, 金子, 源吾, 伊藤, 信夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.10.2003
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.64.2608

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Summary:症例は73歳,女性.子宮頸癌術後にて婦人科外来で経過観察中に,腹部全体に圧痛を伴わない弾性硬で可動性不良な腫瘤を指摘され,精査加療目的に紹介された.腹部CT,腹部血管造影にて腹腔内に左右胃大網動脈を主たる栄養血管とする約20×16×8 cmの充実性,分葉状の境界明瞭な腫瘤を認めた.腫瘍マーカーはCEA, CA19-9, SCC共に正常であった.大網原発の腫瘍,特に肉腫を疑い左右胃大網動脈の塞栓術および腫瘍の摘出術を行った.摘出標本は大きさ16×19×10cm,重さ1.5kgであった.病理所見,免疫組織学的検査によりGISTは否定され大網原発の平滑筋肉腫と診断した.術後1年6月経過した現在までに再発の兆候を認めていない.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.64.2608