胸部食道癌術後13年目に再建胃管に発生した胃癌に対する幽門側胃切除の1例

73歳男性の食道切除後13年目に再建胃管に発生した胃癌の1切除例を報告した.症例は,1984年2月,胸部中部食道(lm)の早期食道癌にて右開胸,胸部食道亜全摘,胸腔内食道胃吻合術を施行.腫瘍は表在平坦型, 2.0×1.5cm大で,組織学的にはscc, m, n0, v0, ly0, stage 0であった. 1996年9月より胸部不快感・食思不振があり当院内科を受診. Sick Sinus Syndromeを指摘されて1997年2月にペースメーカーの植え込みを受けた.その後も症状は改善せず,内視鏡検査にて前庭部小彎に5型の胃癌を認め,同年3月当外科へ紹介された.右胃大網動静脈を温存した幽門側胃...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 59; no. 12; pp. 3041 - 3045
Main Authors 草川, 雅之, 岡村, 一則, 勝田, 浩司, 高橋, 宏明, 早川, 弘輝, 小坂, 篤
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.12.1998
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.59.3041

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Summary:73歳男性の食道切除後13年目に再建胃管に発生した胃癌の1切除例を報告した.症例は,1984年2月,胸部中部食道(lm)の早期食道癌にて右開胸,胸部食道亜全摘,胸腔内食道胃吻合術を施行.腫瘍は表在平坦型, 2.0×1.5cm大で,組織学的にはscc, m, n0, v0, ly0, stage 0であった. 1996年9月より胸部不快感・食思不振があり当院内科を受診. Sick Sinus Syndromeを指摘されて1997年2月にペースメーカーの植え込みを受けた.その後も症状は改善せず,内視鏡検査にて前庭部小彎に5型の胃癌を認め,同年3月当外科へ紹介された.右胃大網動静脈を温存した幽門側胃切除を行い,残胃と空腸をRoux-en-Y型に吻合して再建した.組織学的には高分化型腺癌tubl, ss, n(-), ly1, v1, stage Ibであった.術後12カ月目の現在再発の徴候なく健在である.本邦の胸部食道切除後再建胃管癌65例を集計し検討して,あわせて報告した.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.59.3041