Fleroxacinの皮膚組織への移行と皮膚科領域における臨床効果の検討

ニューキノロン系合成抗菌剤fleroxacinについて, 被験者12名に200mgまたは300mgを単回投与したときの本剤の皮膚組織内濃度の測定と, 化膿性皮膚疾患25例に1日1回200mgまたは300mgを5~14日間経口投与したときの臨床効果および安全性の検討を行い, 次のような結果を得た。 1.Fleroxacin 200mg投与3~4時間後の皮膚組織内濃度は1.48~21.7μg/g, 水疱内容中濃度は, 1.09~1.45μg/ml, その時の血清中濃度は, 1.97~4.76μg/mlであった。300mg投与3時間後の皮膚組織内濃度は2.53~10.4μg/g, 血清中濃度は3.0...

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Published inCHEMOTHERAPY Vol. 38; no. Supplement2; pp. 614 - 621
Main Authors 向井, 秀樹, 富澤, 尊儀, 山田, 耕次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1990
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ISSN0009-3165
1884-5894
DOI10.11250/chemotherapy1953.38.Supplement2_614

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Summary:ニューキノロン系合成抗菌剤fleroxacinについて, 被験者12名に200mgまたは300mgを単回投与したときの本剤の皮膚組織内濃度の測定と, 化膿性皮膚疾患25例に1日1回200mgまたは300mgを5~14日間経口投与したときの臨床効果および安全性の検討を行い, 次のような結果を得た。 1.Fleroxacin 200mg投与3~4時間後の皮膚組織内濃度は1.48~21.7μg/g, 水疱内容中濃度は, 1.09~1.45μg/ml, その時の血清中濃度は, 1.97~4.76μg/mlであった。300mg投与3時間後の皮膚組織内濃度は2.53~10.4μg/g, 血清中濃度は3.02~5.66μg/mlであった。 2.化膿性皮膚疾患25例に対するfleroxacinの臨床効果は, 著効10例, 有効11例, やや有効3例, 無効1例で有効率は84.0%であった。 3.病巣より25株の細菌が分離され, その消失率は92.0%であった。そのうち最も多く分離されたStaphylococcus aureus (13株) の消失率は92.3%であった。 4.本剤に起因すると考えられる副作用, 臨床査値異常は認められなかった。本剤は皮膚組織移行に優れ, 1日1回200mgまたは300mgの投与で化膿性皮膚疾患に有用であることが示唆された。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.38.Supplement2_614