空洞を呈した多発性乳癌肺転移の1例

CT画像上,薄壁空洞を含む,空洞を呈した多発性乳癌肺転移の1例を経験したので報告する.症例は46歳,女性.乳癌手術後5年目に胸部異常陰影が出現し, CTでは薄壁空洞を含む多発性の空洞性病変であった. 2年間のCTでの経過観察中に空洞の壁の肥厚や充実性病変の出現などがみられ,確定診断のために胸腔鏡下肺部分切除を施行した.組織学的に乳癌の肺転移と診断され,ホルモン療法を施行した.治療開始3年後,肺病変はすべて薄壁空洞となり,ホルモン療法は効果的であったと考えられた. 9年を経過した現在も,担癌ながら存命中である....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 67; no. 12; pp. 2819 - 2823
Main Authors 酒井, 章次, 青木, 輝浩, 櫻井, 孝志, 橋本, 光正, 細田, 洋一郎, 清水, 健
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 日本臨床外科学会 25.12.2006
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Summary:CT画像上,薄壁空洞を含む,空洞を呈した多発性乳癌肺転移の1例を経験したので報告する.症例は46歳,女性.乳癌手術後5年目に胸部異常陰影が出現し, CTでは薄壁空洞を含む多発性の空洞性病変であった. 2年間のCTでの経過観察中に空洞の壁の肥厚や充実性病変の出現などがみられ,確定診断のために胸腔鏡下肺部分切除を施行した.組織学的に乳癌の肺転移と診断され,ホルモン療法を施行した.治療開始3年後,肺病変はすべて薄壁空洞となり,ホルモン療法は効果的であったと考えられた. 9年を経過した現在も,担癌ながら存命中である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.67.2819