同時性2多発大腸癌術後10年で発症した同時性4多発胃癌の1例

• Published in: 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 62; no. 10; pp. 2574 - 2578
• Main Authors: 竹内, 英司, 玉内, 登志雄, 伊藤, 以知郎, 佐藤, 俊充, 岡本, 哲也
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本臨床外科学会 25.10.2001
• Subjects: 同時性2多発大腸癌; 同時性4多発胃癌; 異時性大腸胃重複癌
• ISSN: 1345-2843; 1882-5133
• DOI: 10.3919/jjsa.62.2574

症例は62歳男性. 1989年3月, 2多発S状結腸癌でS状結腸切除術を施行された. 1999年10月,検診で異常を指摘され,精査にて胃穹窿部大彎前壁に1型,胃体下部小彎前壁にIlc型,胃前庭部大彎後壁に2型の胃癌を認め,同時性3多発胃癌と診断された. 2群リンパ節郭清ならびに脾合併切除術を伴う胃全摘術を施行した.病理組織学的に, 1型病変は高分化型管状腺癌, sm, ly3, vO, IIc型病変は高分化型管状腺癌, sm, ly3, v1, 2型病変は中分化型管状腺癌, sm, ly1, v1であった.さらに食道切離断端より8mm肛門側にIIb型病変を認め,高分化型管状腺癌, m, ly0, v0で,同時性4多発胃癌と診断した.また1群リンパ節に中分化型管状腺癌の転移を1個認め, Stage I Bであった.以上から,重複癌のみならず,異時性の重複癌の存在についても念頭におくべきであると考えられた.