Loracarbefの泌尿器科領域における基礎的・臨床的検討

新カルバセフェム系抗菌剤loracarbef (LCBF) の抗菌力, 組織移行および尿路感染症に対する臨床的検討を行った。LCBFのStaphylococcus aureusに対する抗菌力はcefaclor (CCL) と同等でcefixime (CFIX) より優れていた。また, Klebsiella pneumoniae, Escherichia coli, Neisseria gonorrhoeaeに対する抗菌力はCFIXより劣るもののCCLより優れていた。組織移行では前立腺組織内濃度の対血中比は, 200mg投与45~60分後で平均0.16, 70~135分後で平均0.14, 400...

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Published inCHEMOTHERAPY Vol. 41; no. Supplement3; pp. 276 - 283
Main Authors 斎藤, 功, 西古, 靖, 横澤, 光博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1993
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Summary:新カルバセフェム系抗菌剤loracarbef (LCBF) の抗菌力, 組織移行および尿路感染症に対する臨床的検討を行った。LCBFのStaphylococcus aureusに対する抗菌力はcefaclor (CCL) と同等でcefixime (CFIX) より優れていた。また, Klebsiella pneumoniae, Escherichia coli, Neisseria gonorrhoeaeに対する抗菌力はCFIXより劣るもののCCLより優れていた。組織移行では前立腺組織内濃度の対血中比は, 200mg投与45~60分後で平均0.16, 70~135分後で平均0.14, 400mg投与60分後で平均0.24, 70~145分後で平均0.34であった。精巣および精巣上体組織内濃度の対血中比は400mg投与120分後でいずれも0.46であった。臨床的検討では有効率は主治医判定で急性単純性膀胱炎で93.8%(15/16例), 複雑性尿路感染症では61.5%(16/26例), またUTI薬効評価基準に合致した急性単純性膀胱炎9例ですべて有効以上, 複雑性尿路感染症9例では8例が有効以上であった。副作用および臨床検査値異常は認められなかった。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.41.Supplement3_276