T-2588に関する基礎的ならびに臨床的研究

新しい経口用エステル型セフェム系抗生物質T-2588について検討を行ない, 以下の成績を得た。 病巣分離のS. aureus 38株, E. coli 36株 K. pneumoniae 23株, P. mirabilis 28株, P. vulgaris 19株, P. aeruginosa 36株, S. marcescens 18株のT-2525に対する感受性を日本化学療法学会標準法により測定した。106CFU/ml菌液接種による感受性分布のピークは, S. aureusでは3.13μg/mlに, E. coliでは0.39μg/mlに, K. pneumoniaeでは0.2μg/mlに...

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Published inCHEMOTHERAPY Vol. 34; no. Supplement2; pp. 466 - 471
Main Authors 三木, 文雄, 生野, 善康, 井上, 英二, 葭山, 稔, 村田, 哲人, 谷澤, 伸一, 坂元, 一夫, 酒井, 宏純
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1986
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Summary:新しい経口用エステル型セフェム系抗生物質T-2588について検討を行ない, 以下の成績を得た。 病巣分離のS. aureus 38株, E. coli 36株 K. pneumoniae 23株, P. mirabilis 28株, P. vulgaris 19株, P. aeruginosa 36株, S. marcescens 18株のT-2525に対する感受性を日本化学療法学会標準法により測定した。106CFU/ml菌液接種による感受性分布のピークは, S. aureusでは3.13μg/mlに, E. coliでは0.39μg/mlに, K. pneumoniaeでは0.2μg/mlに, P. mirabilisでは0.05μg/mlに, P. vulgarisでは0.05~0.1μg/mlに, P. aeruginosaでは100μg/ml以上に, S. marcescensでは0.78~12.5μg/mlにそれぞれ認められた。 急性気管支炎2例, 肺炎5例, 慢性気管支炎急性増悪1例, 肺結核混合感染1例, 肺癌1例, 計10例にT-25881回100または200mg宛1日3回毎食後に経口投与した。T-2588投与開始後肺癌と判明し効果判定より除外した1例を除いた9例中, 著効1例, 有効5例, やや有効1例, 無効2例の臨床効果が認められた。原因菌の判明した6例ではT-2588投与によりすべて除菌効果が認められた。全例において, 自他覚的副作用ならびにT-2588投与に伴う臨床検査値の異常化は認められなかった。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.34.Supplement2_466