外科領域におけるcefozopranの基礎的・臨床的検討

新注射用セファロスポリン剤のcefozopran (CZOP) について, 基礎的・臨床的検討を行った。 外科臨床分離株Escherichia coli (20株), Klebsiella pneumoniae (25株), Enterobacter cloacae (23株), Psseudomonas aeruginosa (26株) についてCZOPの抗菌力を日本化学療法学会標準法に従い, 108および106cells/ml接種で, 最小発育阻止濃度 (MIC) を測定した。以下, 106cells/ml接種について述べる。 E. coliでのMICは≦0.05~0.2μg/mlに分布し...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inCHEMOTHERAPY Vol. 41; no. Supplement4; pp. 327 - 335
Main Authors 田中, 日出和, 岩井, 重富, 佐藤, 毅, 国松, 正彦, 古畑, 久, 加藤, 高明, 泉, 正隆, 千島, 由朗, 新井, 尚之, 佐藤, 史井, 加沢, 玉恵, 張, 遠春, 増田, 英樹, 藤井, 雅志, 田中, 隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1993
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:新注射用セファロスポリン剤のcefozopran (CZOP) について, 基礎的・臨床的検討を行った。 外科臨床分離株Escherichia coli (20株), Klebsiella pneumoniae (25株), Enterobacter cloacae (23株), Psseudomonas aeruginosa (26株) についてCZOPの抗菌力を日本化学療法学会標準法に従い, 108および106cells/ml接種で, 最小発育阻止濃度 (MIC) を測定した。以下, 106cells/ml接種について述べる。 E. coliでのMICは≦0.05~0.2μg/mlに分布し, MIC90は0.1μg/mlであった。K. pneumoniaeでのMICは≦0.05~3.13μg/mlに分布し, MIC90は1.56μg/mlであった。E. cloacaeでは≦0.05~>100μg/mlに分布し, MIC90は12.5μg/mlであった。P. aeruginosaでは0.2~12.5μg/mlに分布しMIC90は12.5μg/mlであった。これら4菌種のMIC90は0.1-12.5μg/mlであり優れた抗菌力を示した。 経皮経肝胆管ドレナージ施行症例および総胆管結石術後Tチューブ挿入症例で同意の得られた肝機能正常な患者4例に本剤1gを30分で点滴静注し, CZOPの血清中および胆汁中濃度を測定した。血清中濃度は点滴終了時63.3~97.8μg/ml, 5.5~6時間後で4.5~9.5μg/mlであった。胆汁中濃度は点滴終了時0.6~22.1μg/mlで, 5.5~6時間後では3.4~7.2μg/mlであった。 外科領域の感染症例で同意の得られた9例に対して本剤を1回1g1日2回点滴静注を行った結果, 著効4例, 有効5例であった。全例において自他覚的副作用および本剤によると思われる臨床検査値の異常は認められなかつた。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.41.Supplement4_327