尿路感染症に対するMT-141の基礎的・臨床的検討

• Published in: CHEMOTHERAPY Vol. 32; no. Supplement5; pp. 475 - 480
• Main Authors: 近藤, 捷嘉, 松本, 茂, 山本, 志雄, 大橋, 洋三, 亀井, 義広, 森岡, 政明, 平野, 学, 藤田, 幸利
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 公益社団法人 日本化学療法学会 1984
• ISSN: 0009-3165; 1884-5894
• DOI: 10.11250/chemotherapy1953.32.Supplement5_475

MT-141について基礎的・臨床的検討を行ない, 以下の結果を得た。 1. 尿路感染症より分離したグラム陰性桿菌46株, グラム陽性球菌11株について本剤のMICを測定した。E.coli, Proteus sp., K.pneumoniaeなどには強い抗菌力を示した。 2. 健康成人3名に本剤1gをone-shot静注し, 注射後24時間までの血中濃度, 尿中排泄を検討した。血中濃度では3例とも注射後15分で100μg/ml以上を示し, 以後速やかに減少し, 注射後24時間では検出しえなかった。24時間までの尿中回収率は79.5%から96.6%であった。 3. 複雑性尿路感染症10例に本剤を投与した。UTI基準での臨床効果は5例中著効1例, 有効2例, 無効2例であった。 4. 副作用は10例中1例に下痢を認め, 本剤の投与を中止した。臨床検査では白血球数の減少を1例に認め, 本剤との関係が疑われたが, 断定できなかった。