産婦人科領域におけるS-1108, の基礎的, 臨床的検討

新しい経口用セフェム系抗生物質であるS-1108について, 基礎的検討ならびに産婦人科領域における臨床的有効性, 安全性について検討を行い, 以下の結果を得た。 1) 基礎的検討;S-1108を1回100mg経口投与した時の肘静脈血清, 子宮動脈血清中におけるCmaxはそれぞれ0.62, 0.43μg/ml, Tmaxは1.56, 2.04hrとほぼ一致した成績が得られ, 各性器内組織におけるCmaxは, 0.23~0.29μg/gの成績を得た。また, 本剤を1回200mg経口投与時の肘静脈血清, 子宮動脈血清中におけるCmaxは0.75, 0.63μg/ml, Tmaxは1.83, 1.82...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inCHEMOTHERAPY Vol. 41; no. Supplement1; pp. 602 - 617
Main Authors 森, 秀弘, 伊藤, 邦彦, 三鴨, 廣繁, 玉舎, 輝彦, 山田, 新尚, 伏屋, 龍夫, 和泉, 孝治, 脇田, 勝次, 太田, 俊治, 早崎, 源基
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1993
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0009-3165
1884-5894
DOI10.11250/chemotherapy1953.41.Supplement1_602

Cover

More Information
Summary:新しい経口用セフェム系抗生物質であるS-1108について, 基礎的検討ならびに産婦人科領域における臨床的有効性, 安全性について検討を行い, 以下の結果を得た。 1) 基礎的検討;S-1108を1回100mg経口投与した時の肘静脈血清, 子宮動脈血清中におけるCmaxはそれぞれ0.62, 0.43μg/ml, Tmaxは1.56, 2.04hrとほぼ一致した成績が得られ, 各性器内組織におけるCmaxは, 0.23~0.29μg/gの成績を得た。また, 本剤を1回200mg経口投与時の肘静脈血清, 子宮動脈血清中におけるCmaxは0.75, 0.63μg/ml, Tmaxは1.83, 1.82hrであり, この際の各性器内組織におけるCmaxは, 0.32~0.47μg/gの成績であった。 これらの成績と既に発表されている本剤の臨床分離菌に対するMIC80値を比較した場合, 本剤の臨床的有用性が示唆される濃度の薬剤移行が認められた。 2) 臨床的検討;子宮内膜炎25例, 子宮留膿腫1例, 産褥子宮内感染1例, 子宮頸管炎1例, 卵管炎1例, バルトリン腺膿瘍7例, バルトリン腺炎2例の計39例に対し, 本剤を1回100mg, 1日3回を4~10日間使用し, 有効性および安全性を検討した。 有効性評価対象例36例における臨床効果は著効2例, 有効33例, 無効1例であり, 有効率は97.2%と良好な成績が得られた。 副作用, 臨床検査値異常は認めなかった。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.41.Supplement1_602