複雑性尿路感染症に対するCarumonamの基礎的・臨床的検討

Carumonamについて基礎的・臨床的検討を行い以下の結果を得た。 1. 尿路感染症より分離したEscherichia coli, Serratia marcescens, Proteus mirabilis, Proteus vulgaris, Klebsiella pneumoniae, Pseudomonas aeruginosaに対する本剤, cefoperazone (CPZ), aztreonam (AZT) のMICを測定し, CPZに比しP. aeruginosaで同等の抗菌力を示したほかは, 他の菌種は1~9管程度優れた抗菌力を有していた。AZTとの比較ではほぼ同程度の抗菌...

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Published inCHEMOTHERAPY Vol. 35; no. Supplement2; pp. 778 - 788
Main Authors 藤田, 幸利, 松本, 茂, 渡辺, 裕修, 杉田, 治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1987
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ISSN0009-3165
1884-5894
DOI10.11250/chemotherapy1953.35.Supplement2_778

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Summary:Carumonamについて基礎的・臨床的検討を行い以下の結果を得た。 1. 尿路感染症より分離したEscherichia coli, Serratia marcescens, Proteus mirabilis, Proteus vulgaris, Klebsiella pneumoniae, Pseudomonas aeruginosaに対する本剤, cefoperazone (CPZ), aztreonam (AZT) のMICを測定し, CPZに比しP. aeruginosaで同等の抗菌力を示したほかは, 他の菌種は1~9管程度優れた抗菌力を有していた。AZTとの比較ではほぼ同程度の抗菌力を示した。 2. 健康成人3名に本剤1gを30分および1時間点滴静注し, 血中, 尿中濃度を測定した。血中濃度は30分および1時間点滴静注いずれも点滴終了時にpeakを示し, 前者では平均88.6±16.2μg/ml, 後者では平均67.1±8.8μg/mlであった。尿中濃度は0~2時間で最高濃度を示し, 30分点滴静注では5035±3698μg/ml, 1時間点滴静注では3761±2181μg/mlで, 6時間までの尿中回収率は86.4~95.8%と非常に良好であった。 3. 複雑性尿路感染症5例を対象に本剤1日2gを朝, 夕2回に分け, 30分点滴静注し, その薬効をUTI基準に従って検討した。除外, 脱落を除く2例の総合臨床効果は2例とも有効であった。自他覚的副作用は全例で認めず, 臨床検査値で異常を示したものもいずれも一過性, 軽度であり, 本剤があきらかな原因と思われたものはなかった。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.35.Supplement2_778