糖尿病に対する社会生態学モデルを踏まえた身体活動促進の取り組み

身体不活動は全世界の死亡者数に対する回避可能な4番目の危険因子であり,身体活動を促進することは公衆衛生上で重要である.身体活動の効率的な促進には身体活動に影響している要因を明らかにし,その要因に働き掛ける必要がある.身体活動を促進する要因の1つに環境要因があり,身体活動と環境要因の関連性には心理社会的要因も関与している.個人の行動を説明するモデルとしての社会生態学モデルがある.社会生態学モデルによると健康行動は個人を取り巻く社会生態学的環境との相互作用によって成り立っており,各階層(個人内,個人間,組織,地域,政策)との関連に配慮した取り組みが必要である.社会生態学モデルを踏まえた取り組みより...

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Published in日本糖尿病理学療法学雑誌 Vol. 3; no. 1; pp. 41 - 49
Main Author 溝口, 桂
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本糖尿病理学療法学会 21.03.2024
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Summary:身体不活動は全世界の死亡者数に対する回避可能な4番目の危険因子であり,身体活動を促進することは公衆衛生上で重要である.身体活動の効率的な促進には身体活動に影響している要因を明らかにし,その要因に働き掛ける必要がある.身体活動を促進する要因の1つに環境要因があり,身体活動と環境要因の関連性には心理社会的要因も関与している.個人の行動を説明するモデルとしての社会生態学モデルがある.社会生態学モデルによると健康行動は個人を取り巻く社会生態学的環境との相互作用によって成り立っており,各階層(個人内,個人間,組織,地域,政策)との関連に配慮した取り組みが必要である.社会生態学モデルを踏まえた取り組みより運動の継続率といった課題を改善できる可能性がある.しかし2型糖尿病患者の身体活動促進について,社会生態学モデルの特性との関係など明らかになっていない課題は多い.これらの課題を少しずつ解決しエビデンスを構築していくことが重要である.
ISSN:2436-6544
DOI:10.51106/ptdm.3.1_41