車室空間における着座姿勢の違いが身体活性に及ぼす影響の検討

自動車における自動運転の普及に伴い,車内空間の更なる快適性や多様性が求められている.このような背景のもと,本研究では着座姿勢の違いが身体活性にどのような影響を与えるのかを検討し,車内空間の多様な用途創出や健康増進等へ寄与することを目標としている.これまでの実験において, 通常の椅子に着座した姿勢(椅座位)と立ち座りの姿勢において「身体活性」の違いを血液循環系に着目し定量評価を試み,立ち座り姿勢の方が椅座位に比べて循環系の活性度を高めているものと推測された.今回は立ち座りにより交感神経が活性化した際の循環動態の詳細な解析を行うために心拍出量だけでなく血圧も一心拍ごとに同時計測し,各パラメータ(心...

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Published in生体医工学 Vol. Annual59; no. Abstract; p. 399
Main Authors 若崎, 聡, 藤村, 教輔, 野川, 雅道, 五十嵐, 朗, 川野, 健二, 川越, 隆, 西川, 裕一, 内藤, 尚, 田中, 志信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2021
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Summary:自動車における自動運転の普及に伴い,車内空間の更なる快適性や多様性が求められている.このような背景のもと,本研究では着座姿勢の違いが身体活性にどのような影響を与えるのかを検討し,車内空間の多様な用途創出や健康増進等へ寄与することを目標としている.これまでの実験において, 通常の椅子に着座した姿勢(椅座位)と立ち座りの姿勢において「身体活性」の違いを血液循環系に着目し定量評価を試み,立ち座り姿勢の方が椅座位に比べて循環系の活性度を高めているものと推測された.今回は立ち座りにより交感神経が活性化した際の循環動態の詳細な解析を行うために心拍出量だけでなく血圧も一心拍ごとに同時計測し,各パラメータ(心拍出量:CO,平均血圧:MBP,総末梢血管抵抗:TPR)の比較を行った.その結果椅座位と立ち座り時における変化量が最も小さいパラメーターがMBPであり,循環系の制御は血圧の変動をなるべく小さくするように働いていることが示唆された. さらにTPRが減少している被験者はCOが増加傾向であることから,交感神経が心臓系に優位に作用していることが考えられる.それに対して,TPRが増加している被験者はCOが減少傾向であることから,これらの被験者は交感神経が血管系に優位に作用していると考えられる.このように, 同時計測実験において交感神経が心臓系,血管系のどちらに優位に作用しているかが評価可能であると考えられた.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual59.399