下顎枝矢状分割術における深層学習を用いた学習対象断面別下顎骨自動抽出

下顎枝矢状分割術は国内で最も多く施術される顎矯正手術で,骨片の固定位置を決定するために,顎関節の三次元接触圧を考慮する必要がある.また,前処理として下顎骨の三次元表面モデルの構築および歯牙部位の解剖学的特徴点の決定が必要となるが,従来この前処理は長時間の複雑な対話的操作が必要とされ,専門医に大きな負担が生じている.これまでに前処理の自動化支援として深層学習を用いた下顎骨自動抽出手法がいくつか提案されているが,我々が必要とする歯牙部位も含めて抽出する方法は提案されていない.また,接触圧解析を行う関係で顎関節面の形状抽出が重要であるが,それに対しての最適なスライス方向についての検討が取り組まれてい...

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Published in生体医工学 Vol. Annual59; no. Abstract; p. 502
Main Authors 澁谷, 奎斗, 鍵山, 善之, 前山, 祐斗, 李, 元斌, 深澤, 友希, 上木, 耕一郎, 諸井, 明徳, 竹内, 則雄, 伊藤, 安海, 佐藤, 嘉伸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2021
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Summary:下顎枝矢状分割術は国内で最も多く施術される顎矯正手術で,骨片の固定位置を決定するために,顎関節の三次元接触圧を考慮する必要がある.また,前処理として下顎骨の三次元表面モデルの構築および歯牙部位の解剖学的特徴点の決定が必要となるが,従来この前処理は長時間の複雑な対話的操作が必要とされ,専門医に大きな負担が生じている.これまでに前処理の自動化支援として深層学習を用いた下顎骨自動抽出手法がいくつか提案されているが,我々が必要とする歯牙部位も含めて抽出する方法は提案されていない.また,接触圧解析を行う関係で顎関節面の形状抽出が重要であるが,それに対しての最適なスライス方向についての検討が取り組まれていない. そこで我々は,三次元頭部CT画像からの下顎骨形状の自動抽出等の前処理に加え,顎関節接触圧解析までを自動で行うシステムを開発している.これまで,CT画像(アキシャル断面)を用い,歯牙部位を含んだ状態での深層学習による下顎骨自動抽出方法を報告している.我々の研究では顎関節接触圧解析を行うため,顎関節面の高精度な形状抽出が重要であるが,顎関節部の三次元形状特徴ゆえにその精度は自動抽出に用いる対象断面の影響を受けると考えられる.そこで本稿では,三次元頭部CT画像のアキシャル断面以外でも深層学習を用いて下顎骨自動抽出する方法を提案し、パイロットスタディとして直交3断面それぞれで精度比較を行う.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual59.502