Two-stream CNNとリカレントニューラルネットワークを用いた新生児General Movements動画像識別

【目的】自発運動の一種であるgeneral movements(GMs)は新生児の神経状態の正常・異常を評価することができ,神経学的検査と同等以上に障害の予後予測が可能とされているが,目視による長時間の観察を伴うため検査者の負担が大きい.そこで本稿では,撮影した動画像から深層学習に基づきGMsを定量評価・自動識別するシステムを提案する.【方法】提案法では,2つの畳み込みニューラルネットワークで構成されるtwo-stream CNNを用い,動画像から身体の位置や姿勢に関する空間的特徴量と運動に関する時間的特徴量をそれぞれ抽出する.得られた特徴量を結合し,リカレント型確率ニューラルネットワークに入...

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Published in生体医工学 Vol. Annual59; no. Abstract; p. 300
Main Authors 橋本, 悠己, 川野, 晃輔, 飯島, 直也, 古居, 彬, 島谷, 康司, 辻, 敏夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2021
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Summary:【目的】自発運動の一種であるgeneral movements(GMs)は新生児の神経状態の正常・異常を評価することができ,神経学的検査と同等以上に障害の予後予測が可能とされているが,目視による長時間の観察を伴うため検査者の負担が大きい.そこで本稿では,撮影した動画像から深層学習に基づきGMsを定量評価・自動識別するシステムを提案する.【方法】提案法では,2つの畳み込みニューラルネットワークで構成されるtwo-stream CNNを用い,動画像から身体の位置や姿勢に関する空間的特徴量と運動に関する時間的特徴量をそれぞれ抽出する.得られた特徴量を結合し,リカレント型確率ニューラルネットワークに入力して各GMsの事後確率を推定することで,GMsの自動識別が可能となる.実験では,専門家により代表的な3種類のGMs(正常なGMs:writhing movements(WMs)35名,fidgety movements(FMs)38名;異常なGMs:poor repertoire of GMs(PR)27名)が確認された新生児100名を被験者とした.また,領域依存知識に基づいて設計された従来のGMs評価法と比較した.【結果】F値により識別性能を比較したところ,提案法は従来法よりも高精度にGMsを識別可能であることが確認された(従来法:0.62,提案法:0.70).【結論】two-stream CNNを用いて自発運動の空間的・時間的特徴を評価することがGMsの自動識別に有効であることを示した.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual59.300