酵素含有刺激応答性ハイドロゲル/フォトニック結晶ハイブリッドの作製とグルコースセンサへの応用

ナノメートルサイズの周期性で屈折率分布を有する光学素子であるフォトニック結晶は、周期や周辺屈折率分布が変化に依存した特定波長光を回折・反射させる特徴を有する。この特徴からフォトニック結晶は、センサとしての応用も可能である。これは、抗原抗体反応等種々の生化学反応によって誘起される周辺屈折率変化を光回折・反射ピーク/強度変化として測定するものである。しかしフォトニック結晶を用いたセンサは、これまで抗原抗体反応やDNAハイブリダイゼーション等の結合を検出することができているが、酵素反応を検出することは困難であった。これは酵素反応によって生成された生成物が試料溶液中へ拡散してしまい、周辺屈折率変化とし...

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Published in生体医工学 Vol. Annual59; no. Abstract; p. 219
Main Authors 遠藤, 達郎, 小林, 奈緒, 川崎, 大輝, 山田, 大空, 末吉, 健志, 久本, 秀明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2021
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Summary:ナノメートルサイズの周期性で屈折率分布を有する光学素子であるフォトニック結晶は、周期や周辺屈折率分布が変化に依存した特定波長光を回折・反射させる特徴を有する。この特徴からフォトニック結晶は、センサとしての応用も可能である。これは、抗原抗体反応等種々の生化学反応によって誘起される周辺屈折率変化を光回折・反射ピーク/強度変化として測定するものである。しかしフォトニック結晶を用いたセンサは、これまで抗原抗体反応やDNAハイブリダイゼーション等の結合を検出することができているが、酵素反応を検出することは困難であった。これは酵素反応によって生成された生成物が試料溶液中へ拡散してしまい、周辺屈折率変化として測定することが困難であったためである。前述した課題を解決するため、本研究ではフォトニック結晶表面へ酵素含有刺激応答性ハイドロゲルを被覆させたハイブリッド構造を作製した。これは、刺激応答性ハイドロゲル内の酵素が反応し、ハイドロゲルが膨潤・収縮することによって誘起される屈折率変化を測定するものである。本研究では、酵素としてグルコース酸化酵素を含有させた刺激応答性ハイドロゲルを被覆させたハイブリッド構造を作製し、グルコースの検出・定量を試みたので報告する。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual59.219